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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【無幻真天楼 第十二回・弐】ハリスのハリセン

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「…何してんだっちゃ南…;」
ジーワジーワと低音の蝉が鳴く中、聞き覚えのある声と自分に覆いかぶさってきた影に南が顔を上げるとそこには緊那羅
「あっれ~…; ラムちゃんヤッホウ…;」
ヘロケソ笑顔で南がのらりくらりと片手を挙げた
「いや…実は…;」
「うん? ってちょっ…慧喜!!; 待つっちゃ!!;」
「きゃー; ラムちゃーんまでワタシをおいていくのねー!!; 白状者ー!!;」
話し始めようとした南の言葉をほんの冒頭だけ聞いた緊那羅が南には目もくれず走っていく慧喜の背中を追いかけだすと南も立ち上がった
「待ってー!!;」
南の声が青空に高く響いた


「じゃぁ…二学期から来るっての…あなた?」
阿部がハリスに聞く
「そうそう僕のことじゃないかな? まぁ…一ヶ月くらいだけどね」
ハリスが笑いながら答える
「…お前…なんか微妙に話し方に関西なまりあるけど…」
坂田がボソッと言うとハリスが坂田のほうを見た
「よーくわかたなー! 僕大学は関西なんだよねー…そこの先輩の青木ってのに頼まれてさぁ…」
「順ちゃんに?」
ハリスが口にした記憶にある教師の名前に京助が反応した
「そうそう…北海道旅行がてらってことなんだけど…おっ登別いってきたのかサカタ」
ハリスが坂田の手にしていた紙袋を見て聞く
「はッ!?; あ…ああ…まぁ…」
ハッとして自分の手に持っている紙袋とハリスを交互に見た坂田がどもりながらも頷いた
「ってことはー…お土産…キョウスケにでも持っていたのか?サカタ」
【キョウスケに】という言葉で坂田と京助の目が合った
「いいねーお土産をわざわざ届けてくれる友達…うんうん青少年」
ハリスが坂田と京助の肩をたたいた
「中身何~?」
悠助が坂田を見上げた
「悠助!!!」
そして呼ばれて悠助が振り向いた

ガバァッ!!!!