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天然優等生vsツンデレ優等生

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「、そ、それで」
「んー?」
「な、なんで笑ったんだよさっき」

なんか凄い執拗に笑った理由を聞き出そうとしている自分が恥ずかしく思えてきた。
だって、修平は教えてくれなかったし。そのせいで寝れなかったりしたし…。という事情があっての行動だ。普段からこんな幼稚な思考をしているわけではない。

「その顔その顔」
「え」
「なーに考えてんだが知らないけどさ、なーんかめっちゃ真剣に考え事してんでしょ?その顔って。わかりやすすぎてさ、面白くて面白くて」

と、思い出したようでまた腹を抱えて笑いだした。

「お、おまえ……っ」
よくも知らない奴にめちゃめちゃ目の前で笑われてて、なんだか無性に腹が立ってきた。
自覚がなかった分余計に恥ずかしいっていうか…情けなかったり、訳がわからなくなって俺はその場から逃げだした。




顔が熱い。


何も考えられず、足は自動的にいつもの癖で屋上に向かっていた。





「ちょ、おい、凛!」
「!?」

驚いて振り向くと、さっきの…明がいた。

「悪かったって。悪気はなかったんだよ」
「別に…怒ってない」

「じゃあ、何?悲しいの?泣かないでよ」
「え」


え……?

明に言われ頬を触って気付く。
え、なんで俺、泣いて。

「……ホント…最悪」

クールで、勉強もできて、誰とも馴れ合わなくて、俺は今までしっかり自分を貫いてきたのに。今日…いや、昨日からの自分は変だ。やたら人に笑われるし、自分自身でも…頭が混乱して何がしたいのかわかんねぇような行動したり、するし……


「まーた…くだらないこと考えてるでしょ」
「なっ、くだらないって…」
言いかけて顔をあげた瞬間、明の指が頬に触れた。

「凛はさ、一見強がって周りに警戒心むきだしててもさ、無防備なんだよね」
「え」
「ほら、そんな顔してさ」

涙を拭った明の指が手のひらに変わって俺の頬を包む。

「そーんな信じきったような顔向けちゃ、ダメだよ。まだよくも知らない相手にさ」

頬を包む片手が両手に変わり、明の顔が近づいた。後ろに退こうとしたけれど、明の両手で包まれた顔が動かなかった。

「な…」
「ごめんね。凛可愛いんだもん」

少し長めな明の黒い髪が俺の鼻先を掠める。







俺たちは、キスをした。