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天然優等生vsツンデレ優等生

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「ねえ修平」
「あー?」

その夜、部活帰りの汗にまみれた修平がゲームを返しに来た。
……のはずが何故か俺の部屋に入り浸っている。

「俺って変?」
「なんで?」

そう答えると同時に、修平の顔はすでにニヤニヤしている。
俺はひそかに…いや、わかりやすく舌打ちをした。

「なんかさ、最近笑われんだよな」
「誰に?」
「……こっちは普通に話してるつもり…だけど」
「終始仏頂面で過ごしている学校内でのお前を笑える奴なんているのか?」
「……本当だよな」

そうだ。本当そう。
今気づいたけど、校内で俺に正面きって笑いかける奴ってアイツと修平以外いないんじゃないか?


「そうかぁ。笑われちゃうのかぁ、凛ちゃん」
「ちゃん付けで呼ぶな」

そして修平は納得のいったような顔をして俺の顔を見た。


「………なに、気持ち悪い」
「いや、多分俺にはわかった、そいつの気持ち。気持ち悪い言うな」

「…どういう気持ちだよ?」


ふっふ、と不適に笑ったかと思うと、修平は俺のベッドから腰をあげ、前屈みに俺の顔を覗き込んでくる。

「そいつは言えねぇなぁ〜」
「…………」

ムッとした俺の顔を見た修平の顔はさらに緩み、やがて得意げな口元に変わる。


「それはな」
「気持ち悪い。じゃあな、修平。また明日」
「は」


修平を部屋から追いやりドアを閉めると、彼が乱しまくったベッドのしわを伸ばす。

ドアのすぐ外から「気持ち悪い言うな」という、騒音が聞こえた。




修平は少しの間なにやら廊下でぶつぶつと独りごとをかましていたが飽きると素直に帰っていった。

俺はその後不覚にも、何故笑われるのかという俺の問いに対して修平が浮かべた不適な笑みが気になってしょうがなかった。あのにやけ顔は何を意味していたのだろう。
いやいや、修平が意味もなくニヤニヤしているのはいつものことなのだが…。