おデブちゃんの肥満外来体験記
運動指導・指導編
〜肥満外来のジムにて〜
(あれ、こんな所にDSが置いてある。(開いてる画面を覗き込む)
なになに、『初心者でも出来る! 簡単ヨガとストレッチ(仮名)』?
ネタバレっすか(汗))
盛大なネタバレをされた私は落ち着かない気持ちでスポーツトレーニングに
挑みます。いえ、DSが悪いと言ってる訳じゃないです。人に教わるのと
ゲーム画面で見るのとではやり方や効果が違ったりするのでしょう。
うん、でもね、ネタバレは止めて欲しかったかな!(にこやかに)
ジムのロッカーで持ってきたシャツと短パンに着替えます。外に出た
私は二度目のショックを受けます。
デブがほとんどいねえzeeeee!
後で聞いた話ですが、体力や足腰が弱っている患者さんのリハビリに主に
使われてるんですね、ジムは。なので病院の待合いに良くいる
タイプの、少し不健康そうな、痩せた方が多かったです。
(もちろん、後日話した中には長期間肥満外来に通って痩せたという先輩も
いらっしゃいました)。
「身長と体重を計って、このファイルに書きこんでください。
体脂肪率も計るので裸足になってくださいね」
ここではファイルが出てきます。私は体重計に乗りました。入院時に
比べ2キロほど落ちています。幸先良いです。
「あとこちらに記入してください」
そこには質問事項がずらっと並んでいます。『胸がばくばくいっていないか・
朝の薬はちゃんと飲んだか・ふらついてないか等々』
うん、完璧です!
「では、始まるまでしばらくお待ち下さいね」
笛が鳴って、「始まりますよ〜」の声がして、慌てて向かいます。
ジムの壁はなんと鏡です。嫌がらせか!
壁にそうようにしてトレーナーさんが一人立ちます。20代後半くらいの
いかにも健康そうな青年です。
鏡には痩せた人たちに混じって何か凄いおデブちゃんが映し出されています。
そう、私ですがな。
------それは十数年前に遡ります。ぽっちゃり児童だった私(当時小一)は
母親の言いつけでバレエを習わされることに。しかし痩せた子の中で
最大サイズの黄色いレオタードを着た私はひとりぽつんと浮いていました。
一言で言うと、みっともないのです。恥ずかしいのです。
ああ、小一のトラウマよ再び。
「みなさんこんにちは!」
こんにちは〜……。彼はまるでNHKの歌のお兄さんのノリです。
「運動の前にまずは体をほぐしましょう。いきなり体を動かすと
筋を痛めたりする原因になったりします。
僕の動きをよく見て、無理のない範囲内で、伸ばしていきましょうね」
ゆっくりと、柔軟体操を始めます。ミニモニ。のような可愛らしい
20代半ばのお姉さんが周囲を回りながら「ここはこうした方が良いですよ」と
手を添えています。
柔軟体操が終わり、私たちは床にテーピングされたその上を歩いて
マウンテンバイクへと向かいます。
「人によって負荷が違いますが、最初の10分間は20にしてください」
肥満外来のジムでマウンテンバイクを漕ぐのは30分間だったのですが
30分漕ぐ時でも10分は20にしないといけないらしい……。
(ちなみに20はめっちゃ少ない負荷)
その時マウンテンバイクを漕いでいたのは5人、トレーナーさん達が
周囲から集まってきます。30分のお話相手をするためにです。
(トレーナーさん達より、患者さんとしゃべりたいな)
と思ったけれど、そこはトラブルを避けるためなのかも知れません。
自発的にしゃべりたくない人もいるだろうし。
ミニモニ。さんがお話相手をしてくれました。今、**という漫画に
はまっているんだとか、小説を書くのが趣味だとかいろいろ話しました。
(あ、二次創作や萌え等の事は言ってません念のため)
ミニモニ。さんはいちいち反応が可愛らしかったことを覚えています。
既婚者だそうです。そうだよな男が放っとくはずがない。
「はい、終了です。お疲れ様でした〜」
あんまり疲れなかった……30分じゃ、ちょっとなぁ。
次は器具を使った体操です。といっても、ダンベルとかじゃありません。
筋肉を鍛える為の機械に乗るのです。
「まい子さんは初めてでしたよね?」
ミニモニ。さんは機械の使い方を教えてくれました。機械は5つありました。
ふむ。効果の程はよく分からなかったが、これで良いんかいな?
「もしかして、これ、恒常的にジムでやると効果がありますよってこと
ですか?」
「そうですよ〜。使い方をしっかり覚えて帰ってくださいね♪」
にゃるほろ。継続は力なり、ですな。
次に体操です。あのDS(根に持ってる)の中の運動に違いありません。
NHKの歌のお兄さん曰く、足腰に負担をかけない体操なのだとか。
一人一枚マットを用意して、そこに寝ころびます。
「膝を△にして、首の後ろに手を当てて、上半身を1,2,3,4で上
5,6,7,8で下に下げてください。これでも十分お腹に効き目はあります。
これを10セット×2回行いましょう」
1,2,3,4
5,6,7,8
2,2,3,4
5,6,7,8
などと言いながらお腹を曲げます。は、腹が膝につかえる……。
ここでもミニモニ。さんともう一人が廻って「肘が曲がっています」
「もう少し上に」等の指導をしています。
そんな運動を5つくらい習って終了です。
ゆっくりと照明が消され、静かな音楽が流れます。
「最後のストレッチです」
ゆっくりと筋を伸ばします。この頃になるともう、鏡に巨デブが映ってるとか、
どうでもよくなってきました……つうか、眠い……。
やっぱりミニモニ。さんたちが廻って(略)
「はい、終了です。お疲れ様でした〜!」
「お疲れ様でした〜!!」
元気に返事をしてマットを元に戻します。うん、これで二千円は安いです。
今日教わった、この運動を毎日繰り返していれば、体に効果が出てくるのでしょう。
結局、ここで習った運動は最初のうち少しやっただけで
後はしなかったですけどね(汗)
決して疲れる運動ではないです。ただ面倒くさかっただけです……。
って、ダメダメやん。
作品名:おデブちゃんの肥満外来体験記 作家名:まい子