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赤い傷跡 第二章

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やがて大きい動物が現れてきた。
それはウルフだった。
大きい口に、鋭い牙、恐ろしいほど赤く光る目、尖った爪。
どれもが大きく見えてあたしは、息をのみ、そのまま動けなくなっていた。

瑠色さんも固まったまま動かなかった。
シモーヌはウルフの前に立ち、嬉しそうにウルフに言う。
「わたし、あなたのために…生け贄あげる。仲間になって。」
するとウルフは寝転んだ亜紀に近づいてきた。
「…亜紀!」
そう叫んだが、ウルフの耳には届いておらず、亜紀を人間か確かめるため嗅いでいた。
心臓の音がうるさいぐらい頭に響いてくる。


だがウルフは顔に皺を寄せ怒りの混じった声で言う。
『お前、おれの一番嫌いな肉を食べさせる気か?』

ウルフは徐々に顔に皺を寄せ、シモーヌに近づく。

「そ、そんな!人間の肉じゃない!!」
シモーヌは顔色を悪くし、絶叫する。

『いいや、この匂いは人間じゃねぇ!!!』
ウルフは低い声で大声をあげる。
「どうゆうこと?」
あたしは瑠色さんに疑問を投げ掛けると、瑠色さんは気づいたのか目を見開く。

「まさか、あの娘…」
そこで言葉が切れ、口に手をあてる。
作品名:赤い傷跡 第二章 作家名:麗潤