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「おいおい、マジかよ?」
 オレ達は驚く、
 一方怪獣は倒れてるバイスの方に向かった。
「まずい!」
「任せて!」
 ファーランは自分のセイヴァ―・アームズを放り投げて大きく息を吸うと目を見開いた。
 途端ファーランの体に異変が起こった。
 鬼灯色の瞳が爬虫類の様な目になると小さな体がオレより…… いや、怪獣と同じくらいに大きくなりながら全身の皮膚が緑色に変色して罅割れて鱗の肌となる、
 さらに深緑色のツインテールの髪もまるでライオンの鬣のようになると頭から角が生えて背中から翼が生えて尻尾が生えて巨大な龍となった。
 これがドラン人・ファーランの本当の姿だった。
『かかってきなさい!』
『グルルッ!』
 怪獣はいきなり現れたファーランを敵と認識し、体制を変えて襲いかかった。
『ガアアアッ!』
 怪獣は口を開いて火炎攻撃を放つ、
『ハアアアッ!』
 ファーランも大きな口を開くと青白く発光するレーザーを放った。
 1人と1体の攻撃はぶつかって爆発して火花を散らした。
『グオオオ―――ッ!』
 怪獣は地響きを立てながらファーランに立ち向かって行った。
 そして互いの手をつかんで力勝負となった。
「すげぇ迫力……」
「お前に見せてもらった怪獣映画そっくりだな」
 確かにそんな感じだった。
 ずっとガキの頃に舞と見てた怪獣映画そっくりな光景だった。
 まさか本当に怪獣同士のバトルにお目に書かれるとは思えなかった。
『誰が怪獣よ誰がっ?』
 聞こえたんだろう、ファーランがこっちに向かって激を飛ばした。
「っと、こんな事してる場合じゃ無かった。ファーラン、そいつを抑えておいてくれ!」
『任せて!』
 ファーランはさらに両手に力を入れて前進する、
 すると怪獣も負けじと両腕に力を入れて踏ん張るがファーランの力の方が凄いんだろう、怪獣は足元を擦りながら後退した。
 その隙にオレ達はバイスの側にやって来た。
「おい! しっかりしろ!」
 オレはバイスの肩に手を当てようとする、
「よせ…… ぐっ!」
 バイスはオレの手を振り払った。
 そして上半身を起こすと深く息を零した。
「……全部聞いた」
「えっ?」
「あいつの事だ」
 バイスはファーランを見る、
 実はあれからサイモンが事情を説明したらしい、
「オレは自分が間違っていたとは思わない、だがいささか軽率だった」
 バイスは眉間に皺を寄せながら側に落ちた自分のセイヴァー・アームズを拾いながら立ち上がった。
「責任は俺が取る、お前達はあいつを連れて逃げて……」
「そうも行くかよ」
 オレは言う、
 するとバイスはオレ達の方を見る、
「1人じゃ無理だ。オレ達もやるぜ」
「ああ、オレ達は同じ班なんだからな」
「馬鹿を言え! ただ1人の為に付き合う必要はないだろ」
「必要はある、仲間だろ」
「仲間?」
「そう言う事だ。良いから黙って手伝え! 責任ってのはそう言うモンだろ」
 サイモンも言ってくる、
 これでやるべき事は決まった。
 だけど問題があった。
 それはオレ達の武器の方だった。
「オレ達のは訓練用だ。大した威力は無いぜ」
 オレは自分のセイヴァ―・アームズを見る、
 何度も言うがこれは訓練用で大した殺傷能力は無い、本格的なセイヴァー・アームズはエネルギーを言ってん集中させる事で鉄でも切る事ができる、
 本格的なセイヴァー・アームズでも倒せるって保証はないが……
「心配すんな、威力が低いなら上げりゃ良いだけだ」
 サイモンが言った。
 訓練用の武器に内蔵されたバッテリーを1つに集めて少し弄るだけで本物のセイヴァー・アームズ以上のエネルギーを出す事が可能らしい、
「そんなこと出来んのか?」
「朝飯前だ」 
 そうだったな、
 こいつは最強(凶と言うか狂)の頭脳の持ち主だった。
 こいつにかかっちゃ宇宙平和連合のメカだって食玩の以下だろうな、
「よし、じゃあオレ達は時間稼ぎだ」
「……それが妥当だな」
 バイスは頷いた。
 オレ達は怪獣に向かって走って行った。