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 それから数時間後、
 オレ達を乗せた宇宙船はデュラン星に到着した。
 氷河期を迎えているこの星は雪と氷に閉ざされ、空も黒雲に覆われて太陽が遮られていた。
『我々は衛星軌道上で待機する、一週間後にここで落ち合おう、それまでは力を合わせて生き延びるように』
 下船したオレ達に戦艦からデュオ氏の声が響くと戦艦は空に飛び立った。
「よし、行こうぜ」
 戦艦が見えなくなるとオレ達も森の中に入って行った。

 深々と降り注ぐ雪の中を俺達は足跡を残しながら歩いて行った。
「寒い〜」
 真っ先に弱音を吐いたのはファーランだった。
 左右の二の腕を抑えながら歯を鳴らして震えていた。
「寒い寒い寒い寒い寒い〜〜〜っ!」
「うるせぇ! 黙れっ!」
 オレは叫ぶ、
 寒いのはオレだって同じだ。 
「だって寒いもん! ドラン星はこんなに寒く無かったもん!」
「レイス星も寒くなかったぜ」
 ドラン星とレイス星には冬が無いらしい、
 地球は…… 他の国はどうか分からないが日本には四季があるから冬は寒い事は寒いが…… だからってどうにかなる問題じゃない、
「確かヴォルフ星はこんな感じだったっけ?」
 サイモンは尋ねるがバイスは何も答えずに歩いて行った。
 
 オレ達はしばらく何も言わずに歩いて行った。
「あ〜、そう言えばさ、この後どうするんだ?」
 サイモンが言って来た。
「どうするって?」
「何せサバイバル期間は一週間だ。まさか飲まず食わずって訳にもいかないだろ?」
 一応教官達からある程度の携帯食糧は支給されている、だけど一週間分ある訳じゃない、
「一旦食糧の確保をするか…… おい、バイス!」
 オレは叫ぶ、
 しかしバイスは相変わらず何も答えなかった。
「シカトかよ」
「って言うか無口なだけじゃない?」
「で、どうすんだ?」
「ああ、おい、止まれ!」
 オレはバイスの肩をつかもうとしたその時だった。
「ぬんっ!」
 バイスの左手が伸びてオレの右手をつかむとまるで柔道技の一本背負いの様にオレを投げ飛ばした。
 視界の上下が逆さまになったオレは雪の大地に叩きつけられた。
「タ、タクミ!」
 ファーランが口元を抑えた。
 雪のおかげでダメージが吸収されてあんまり痛くないがいきなり投げ飛ばされた事には変わりは無い、
 オレは立ち上がるとバイスの胸倉をつかんだ。
「テメェ! 何しやがる?」
「基本だ」
「ああっ?」
「無用心にもほどがある、戦場でいきなり後ろから手をかけるからこうなるんだ」
「ここは戦場じゃねぇだろ! あくまでも訓練で……」
「戦う者なら常に戦場にいると言う心構えが必要だ。大体この程度で受け身を取れずに無様に転がる貴様が悪い」
「んだとテメェ!」
「ちょっと待って! 2人供止めてよ!」
 ファーランがオレ達の間に割って入った。
 オレの班は最初こんな感じだった。