小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

SAⅤIOR・AGENT

INDEX|88ページ/145ページ|

次のページ前のページ
 
 
 私達は地球に戻ってきた。
 なお戻った場所は叔母さんの家のリビングで、そこからバスに乗って兄貴達が住んでるマンションの不破さんの部屋にやって来た。
 不破さんの部屋は…… まぁ、何と言うか想像通りだった。
 マンガ喫茶でも開けるんじゃないかと思うくらいのマンガにライトノベルにアニメや特撮のDVD、さらに壁にはビッシリとアニメのポスター、テレビの上や机の上には美少女フィギュアが置かれていた。
 さらに別の部屋にはコスプレ用の衣装が飾ってあるらしい、見てみたいような気もするけど今は止めた。

 そして私達は月であった事を話した。
「そんな事があったのか」
「お手柄じゃねぇか妹」
 大神さんと三葉さんが言って来た。
 本当は里中先生が看病していたのだが急用ができたが為に2人が不破さんの面倒を見ていた。
 しかし三葉さんは不破さんのマンガを見てるだけで看病などしていなかったらしい、
「それに引き換え……」
 大神さんは鋭い目をさらに細めて後ろを見る、
「ハァ〜〜〜クションッッ!」 
 そこにはツインテールを解いて額にアイスノンを額に乗せてピンクのパジャマに赤いドテラを羽織った不破さんがベットで寝ながら咳き込んでいた。
「うう…… ゲホゲホッ!」
「情けない奴だ。あれほど体調管理には気をつけろと班長から言われていただろうに……」
「ううっ、だって〜〜…… ハ〜クション!」
「全く、セイヴァ―・エージェントにあるまじき失態だ。セイヴァ―・エージェントたるもの日々精神と肉体の……」
「ああ〜んっ、バイスを何とかしてぇ〜!」
 不破さんは頭から布団を被った。
 兄貴の話じゃ今朝も里中先生に叱られたって言うし、何だか少し可哀想になって来た。
「自業自得だ。良いから薬飲め、チェイニ―婆ちゃんが作ってくれたから効くぞ」
「だって苦いもん」
「風邪治さなかったらまたチヅルちゃんに怒られるだろ、良いから早くしろ」
「うう〜〜」
 不破さんは重たそうに体を起こすと兄貴から薬を受け取った。
「ファーラン、この続き無いのか?」
「おいサイモン、お前はさっきからマンガばかり……」
「良いだろ別に、チヅルちゃんに言われた事はあくまでもファーランが大人しく寝てるように監視するだけだろ?」
 確かに、不破さんが大人しく寝てる訳がない、多分ゲームやったりアニメDVD見てるだけだろうな……
「それで、その花どうするんだ?」
「ああ、兄さんが預かってくれる事になりました」
 地球人の私の家に異星の花を置く訳にいかなかった。
 もちろん時々は私も様子を見たり世話をする為に来るつもりだ。
「安心しろって、オレが責任もって育てるぜ」
「とか何とか言って…… 小学校の頃に宿題で出た朝顔枯らせたのどこの誰よ?」
「タクミはアバウトだから…… ゲホゲホっ!」
「今のお前が言っても説得力もねぇよ!」
 兄貴は不破さんに目を吊り上げる、
「はぁ〜〜、だけどアタシも行きたかったなぁ〜〜」
「じゃあまた行こうぜ、今度はみんな一緒にな」
「その時は私も良い?」
「そりゃもちろんだ」
「おい、お前達、重要な事を忘れてないか?」
 大神さんが言ってくる、
 それはもうすぐ兄貴達は強化合宿に行かなければならない事だった。
 そう、兄貴達はしばらく帰って来ない……
「心配すんなって、そうしたらまた行こうぜ」
「そうだよ、一週間なんてあっという間に…… ゲホゲホっ!」
「良いから、お前は早く風邪治せ!」
 兄貴は叫んだ。
 今日は色々あったけど楽しかった。それはとある夏の出来事だった。