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「いい加減に、しなさいよ…… その子泣いてるじゃない」
 私の手に持つ喫茶店のトレイが震えた。
 私だって恐い、だけど黙ってられなかった。
『て、テメェ!』
 異星人の血走る3つの目が私に向けられる、
「ひっ!」
 私は身がすくんだ。
『このぉ!』
 異星人が女の子を放り投げると私に向かって大きな拳を振るい上げた。
「このっ!」
 一瞬の事だった。
 背後ががら空きになった隙を狙って兄貴が飛びかかると縦一文字に異星人を切り裂いた。
『ぐがあああっ!』
「所詮はチンピラか!」
 さらにもう一振り、兄貴は横に切り裂くと異星人は光の粒子となって転送された。

 事件は終わった。
 ただ薬を買いに来るだけのはずがこんな騒動に巻き込まれるなんて思わなかった。
 私は少し離れた場所から事故処理を手伝っている兄貴を見守った。
 少し経つと兄貴は私の場所に戻ってきた。
「待たせた。後は警備隊に任せて行こうぜ」
「うん…… えっ?」
 すると誰かが私の服の裾を引っ張った。
 振り向くとそこにはさっき人質になっていた女の子がいた。
「どうしたの?」
 私は膝を曲げて女の子と同じ立ち位置になる、
『はい、あげる』
 すると女の子は左小脇に抱えていた植木鉢を私に渡した。
 鉢には緑色の球根の様な物が埋まっている、
『助けてくれてありがとうね、お母さん達が持って行けって』 
 女の子が後ろを見るとそこには女の子の大人バージョンとも言うべき人が私に向かって頭を下げた。
「いいの?」
『うん』
 女の子が元気良くうなづくと私は植木鉢を受け取った。
 すると女の子は私に手を振りながら私から去って行った。
「じゃあ行こうぜ」
 兄貴は私の肩に手を乗せた。

 私達はチェイニーさんのお店に戻ってきた。
『おお、戻ってきたかい…… 話は聞いたよ』
「相変わらず噂の広まるのが早いな」
『ああ、ルーシーちゃんも怪我がなくて何よりだよ』。
 ルーシーとはあの女の子の名前で、このサテラ・ベースで花屋を営んでいるお母さんと暮らしているらしい、
『だけどあんまり無茶するんじゃないよ、自分だって人間なんだ。自分1人守れない奴が英雄の真似なんかしたって痛い目見るだけなんだからね』 
「は、はい……」
「まぁまぁ婆ちゃん、それより薬はできてるか?」
『ああ、さっき出来上がったばっかりさね、ホラ』
 するとチェイニーさんは薬の入った紙袋を兄貴に手渡した。
「じゃあな、また来るぜ」
『ああ』
 チェイニ―さんは私達に向かって手を振った。