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 道を横切りジャンプ、1番後ろを走っていた強盗に向かって右足を突きだした。
「りゃああっ!」
 オレの飛び蹴りは強盗の1人をふっ飛ばし、強盗は地面に転がって気を失った。
『なっ? 何モンだ?』
 残った2人は振り向いてオレを見る、
「ギル、こいつらは?」
 するとギルは目の前の2人を解析する、
『そこで倒れているのはカンベル星人、残りの2人はジャージン星人とトーン星人だ。しかし登録されている指名手配犯ではない』
「ようするに金目当てのチンピラか」
『何だとコラッ!』
 すると男の1人、ジャージン星人がオレに向かって手を広げると手の平から炎が噴き出した。
「おっと!」
 オレは後ろに跳んで交わした。
「パイロキネシスか!」
 この街は入口のゲートでは個人の持ち物が調べられるが超能力はどうしようも無い、この街は武器はもちろん危険物の持ち込みは禁止されてる、
 だがそれは一般人や宇宙警備団、銀河連邦軍の話だ。
「ギル、頼むぜ!」
『了解っ!』
 オレの手の中にセイヴァー・アームズが転送される、
『セ、セイヴァ―・エージェントっ!』
『野郎っ!』
 さらにオレに向かって火炎攻撃が放たれる、
 しかしオレは両足に力を入れてジャンプすると空中で弧を描いて連中の反対側に着地、素早く身を翻して地面を蹴ると一気に相手の懐に飛び込んだ。
「α・モードっ!」
 オレのセイヴァ―・アームズに金色の光の刃が精製されると擦れ違い様に2人の異星人を切り裂いた。
『ギャアアッ!』
『グアアアッ!』
 ジャージン星人とトーン星人の2人は光の粒子となってゼルベリオスに転送された。
「よしっ」
 振り返って2人の転送を見届ける、
 しかし、
『きゃああっ!』
 悲鳴が聞こえて振り返る、
 するとオレが最初にぶっ飛ばしたカンベル星人が意識を取り戻し、1人の子供の細い首に太い腕を回していた。
 カンベル星人の覆面は取れて素顔が丸見えになっていた。
 紫のワカメみたいな頭に赤い3つ目、剥き出しの顔や両手の肌には青い鱗がびっしり付いている、
『動くな! このガキがどうなってもいいのかっ?』
 牙の生えたカンベル星人はオレに向かって怒鳴りつける、
 人質に取られている子供は額から触覚が生えた緑の瞳と長い髪の蒼白の肌、ノースリーブの白いワンピースを着た赤い靴の女の子はファリィ星人、大した力も持たない地球人より弱い異星人だ。
『うぇええん』
 子供は恐怖に怯えて泣きだしていた。
 まずったぜ、最初にこいつを転送しておくべきだった。
 中途半端にぶっ飛ばしたせいで女の子を危険な目にあわせちまった。バイスじゃねぇがセイヴァー・エージェントにあるまじき行為だぜ。
『どけどけ!』
 するとオレの後ろに白い生地の左右の胸にポケットが取りつけられた異星人達がやって来た。
彼らはこの街の警備隊だった。今更遅ぇっての……
『あなた? セイヴァ―・エージェントの方ですか?』
「ええ」
 オレは後ろの人達に頷くとカンべル星人を見直す、
『逃走用の宇宙船を用意してみんな失せろ!』
「くっ……」
 オレ達は手も足も出せなかった。
『うわああ〜〜ん』
 女の子は大きく泣き出した。
 その泣き声に立腹だったカンベル星人は怒りの目線を下に向けた。
『うるせぇ! 黙りやがれ!』
 だけど女の子は泣きやまない、そりゃそうだ。
『このガキィ!』
 すると業を煮やしたカンベル星人は右手で拳を作ると女の子に殴りかかろうとした。
「よせっ!」
 オレはカンベル星人に跳びかかろうとするがその時だった。
 1つの細い影がカンベル星人の背後に近付くと手に持っている物で殴りつけた。
『ガッ!』
 カンベル星人は後頭部を殴られて痛みに首を振る、そして後ろにいる自分を攻撃した者を見た。
 そいつは……