SAⅤIOR・AGENT
オレが目を開けると大きなビルの前だった。
屋根には『スマイル・ゼミナール』と書かれていて、入り口の前ではファーランが入ろうとしていた。
ってか体操着のままで目立ち過ぎだ。オレもだけど……
「おい、ファーランっ!」
オレはファーランを予備止める、
するとファーランは振り向いてオレを見た。
「タクミ? 何でここに?」
「お前を止める為だよ、ってか帰るぞ」
「イヤっ!」
あっさり否定しやがった。このクソガキめ、
そのまま振り向いてビルに入ろうとするファーランの腕をオレはつかんだ。
「離してよ! この中に京子ちゃんがおかしくなった原因があるんだから!」
「まだ異星人の仕業って決まった訳じゃねぇだろ、とりあえず探索派に調べさせてからでも遅くは無いだろ!」
「どうしてよ! サイモンは冗談は言うけどウソは言わないよ!」
「証拠が出るまで待てって言ってんだよ、いいから帰るぞ!」
「イヤだって、言ってんでしょ!」
ファーランはオレの手を振り払うとそのままオレの腹にボディブローを入れた。
「ぐふっ!」
オレの呼吸は一瞬止まり、その場に膝をついた。
こいつは今こそ舞ほどのパワーは無いが戦闘訓練を積んでる分、的確に急所を突いてくる、
『お嬢、何て事を!』
ロンはファーランを咎める、
だがファーランは話なんて聞こうともせずにビルに突っ込んでいった。
作品名:SAⅤIOR・AGENT 作家名:kazuyuki