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「やっぱりここが狙われたか!」
 オレは水の中に飛び込んだ。
 改造人間のオレは空気の無い場所でも有る程度呼吸ができる、だがそれほど長時間いる事ができないから限界時間は持って1時間ぐらいだった。
 オレは渦潮に気をつけながらファーランの方を目指した。
「いた!」
 渦潮の根元部分ではファーランが自分のセイヴァ―・アームズを出して戦っていた。
 オレのとはタイプが違い、ファーランのはトンファー・タイプで、縦棒部分が金色に輝いていた。
 対する相手はざっと8人はいるだろう、全身が銀色の鱗だらけで耳に魚の鰭みたいなのが付いた異星人が槍を持ってファーランと格闘していた。
「ファーランっ!」
 オレはギルを通してセイヴァ―・アームズを取るとα・モードで異星人に切りかかった。
「うおりゃああっ!」
 背後から切りかかったので相手はオレに気付かずに切られて粒子となって強制転送された。
『ギャアアアッ!』
『新手か?』
 オレがファーランの側に降りるとそいつらはオレ達から間合いを空けた。
「お前等、キューラ星人だな?」
 オレは切っ先を向けた。
 こいつらは100%水で覆われたキューラ星の異星人で、海の中に居住区を築いている、もちろんこいつ等本人水中でも自由自在に活動できる、
「あれ? 何で水を盗むのよ? ありえないでしょ!」
「ファーラン、お前100年前にキューラ星で起きた事件の事、忘れたのか?」
 100年前、こいつ等キューラ星が異常干ばつにより殆ど干上がってしまった。
 キューラ星人達はその後、地に潜って生活をしていたが、何とか海を元通りにしようとしていると聞いた事がある、
「その方法が他の星から水を奪う事ってか?」
『ああ、その通りだ!』
 キューラ星人は言って来た。
 奴等は自分達の体に適合した水を調達する事を考えて宇宙に飛び立ち、地球を見つけたと言う、
『次は海をいただく! 我が母星の為にな!』
「ふざけんな!」
 オレは言った。
「この地球の資源は地球の物だ。奪う権利なんざ誰にもねぇんだ」
「そうだよ! どんな理由があってもこんなの泥棒だよ!」
『黙れ! 邪魔をするなら誰だろうと許さんっ! かかれ!』
 キューラ星人は槍を持ってオレ達に襲い掛かって来た。
「β・モードっ!」
 オレはセイヴァー・アームズのモードをチェンジして奴の武器を受け止めた。
「ファーランっ! 奴等の機械をぶっ壊せっ!」
「分った!」
 ファーランは水を掻き分けて機械の方へ向った。
『バカめ! あんな子供に壊す事などできない!』
「はっ! そいつはどうかな?」
 それはあいつの正体を知らないから言える事だ。
「あいつにぶっ壊せねぇモンはこの世にはねぇよ!」
 オレは口の端を上にあげた。
 そりゃあいつは舞以上のガキだけど、少なくともオレより強いのは確かだ。

 一方ファーランはロンに言った。
「行くよ、ロンっ!」
『了解! 部分解除っ!』
 ロンが光り輝くとファーランが高巳山で見せた形体に変化した。
『こ、こいつ、ドラン人っ?』
『怯むなっ! 止めろっ!』
 キューラ星人は物凄い速さで泳ぎながらファーランに向った。
「α・モードっ!」
 しかしファーランは身を翻すと人魚のように水中に舞ってキューバ星人を攻撃した。
『ぎゃああっ!』
 攻撃を受けたキューラ星人達はたちまち粒子かしてゼルベリオスに強制転送、追っ手がいなくなるのを確認すると今度は渦の根元の機械に狙いをつけた。
「β・モードっ!」
 ファーランは狙いを吸水機械に切り替えるとセイヴァ―・アームズのモードを変換、渾身の力を込めて攻撃した。
「うりゃあああっ!」
 物凄い衝撃が水中に放たれ、機械は轟音を立てて爆発した。