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「な、何なのよこいつ?」
 私はトラックに轢かれたトノサマガエルのように転がる馬鹿野郎を見る。
「ううっ……」 
 殴られたにもかかわらず幸せそうな顔をしてる、マジで気持ち悪い……
「あれ?」
 すると男の懐から何かが転がり落ちた。それを見ると私は目を丸くした。
 それは私が兄貴に渡したお守りだったからだ。
「そ、それ…… じゃあまさか?」
 私は男の顔を左に向けると右の耳の裏には黒子があった。これは私しか知らない事だった。間違い無い、このナンパ野郎は兄貴だった。

 私は忌々しくも兄貴を引き摺りながらベンチの上に寝かせた。
「何で私がこんな事を……」
 今度は水飲み場のところでハンカチを濡らしてくると額の上に乗せた。
「……本当に、兄貴なんだ」
 本当にあの時と同じだった。
 私は上着のポケットから財布を取り出すと定期入れ部分に入れてある兄貴と私が映った写真を見る、私が中学の入学式に撮った写真だった。
「ううっ……」
 すると兄貴が目を覚ますと上半身を起こした。私は慌てて財布を仕舞おうとするが財布を地面に落としてしまった。
「あっ…… ああっ?」
「ん、何か落としたよ……」
「あっ、ダメっ!」
 兄貴は私の財布を撮る、すると入っていた写真を見ると目を丸くした。
「この写真…… 舞? お前、舞なのか?」
「や、やっぱり兄さん…… だったのね?」
 私は少し距離を話した感じに言う、
 すると兄貴は額に手を当てると肩を落とした。
「何てこった。地球に帰ってきて始めての相手が舞だったとは……」
「地球? 帰ってきた?」
 ますます訳が分からない、一体どこに居たってのよ?
「ちょっとバカ兄貴っ!」
「ぐおっ?」
 私は兄貴の胸倉を掴んで持ち上げる、
「一体何がどうなってんのよ? 何で兄貴が生きてるのよ? どうやって助かったの? それにあのロボットは何?」
「落ち着け、そんなに一辺に質問するな、俺だって答えに困る……」
「これが落ち着ける訳無いでしょ! アンタはホントにあの兄貴? 幽霊じゃないでしょうね?」
「足付いてるだろ!」
 兄貴はしっかりと生えている足を見せた。
 とりあえず私が手を離すと兄貴は襟を整えた。
 私は深呼吸して平常心を保つと改まって兄貴に尋ねた。
「じゃあ質問するわよ、一体どこにいたの?」
「どこって…… 話せば長くなるけど、宇宙の彼方にあるゼルベリオスって星だ」
「ゼ、ゼル…… 何それ?」
「セイヴァ―・エージェント養成所だ」
 セイヴァ―・エージェント、それは宇宙警察のような物で、悪事を行い指名手配された宇宙人を検挙するのが仕事だと言う、って言うか宇宙人って本当に居たの?
「地球で言う所の密偵だけどな」
「な、何ふざけた事言ってんのよ? 漫画じゃないんだからね!」
「さっき現物に襲われただろ」
 すると私はさっきのロボットを思い出した。兄貴の話ではあれは別の星で造られたロボットだと言う、確かに今の地球の科学で完全な2足歩行のロボットは完成していない、
「じゃああの光の剣は?」
「ああ、これか?」
 すると兄貴は腰の後ろのベルトに差してある金属のバトンを見る、よく見ると赤いボタンと青いボタンがある、