SAⅤIOR・AGENT
「間にあったか」
テレポート完了、
オレは足元で苦しんでるファーランを抱き起こした。
「おい、しっかりしろ!」
「タクミ……? 何で……」
「ファーランっ!」
『気を失っただけだ。それより後ろに子供がいる』
「何?」
振り返ると確かに子供がいた。って言うか何でこんな所に?
「チッ、しかたねぇか…… ギル!」
『了解!』
オレは左手でギルを首から外し、後ろの子供に向けた。
途端ギルが光り輝くと子供は意識を失ってその場に倒れた。
これはセイヴァー・エージェントのサポーターの能力で、相手を催眠状態にして記憶を消す能力を持っている、
早い話が今起きた事は完全に忘れている。
一方ボーガは立ち上がるとオレをにらみつけた。
『テメェ、この星のセイヴァ―・エージェントかっ?』
「だったらどうした? 少し待ってろ!」
オレはファーランを抱きかかえて近くの木に寄りかけるとギルを右手につかませた。
「さて、おっぱじめるか!」
オレは手を伸ばすとギルからセイヴァー・アームズが転送された。
「ゴブル星人、ボーガ・リード! 各惑星での強盗殺人、及び宇宙警察・宇宙密偵機関団員殺害の罪で逮捕する!」
『チィ、舐めるな若造が!』
奴は首から鎖を外して構えるとオレはセイヴァー・アームズβモードを発動させた。
「うおおおっ!」
『だあああっ!』
奴は大きく鎖を振り回して俺に向かって振り下ろした。
オレは身を翻して回避すると大きく振りかざして光の刃を振り下ろした。
『ぬんっ!』
ボーガは余った鎖を引っ張ってオレの刃を止めた。
「何っ?」
信じられなかった。
セイヴァー・アームズβモードは圧縮した高密度のエネルギーを刃化してる、どんな物でも切り裂けるはずだ。
『ハッ! ゴルアン星の鉱石でできた鎖はな、どんなエネルギーを跳ね返す事ができるんだよ!』
「チッ! そう言う事か!」
ゴルアン星は宇宙で最も固い金属で構成された惑星、そこでごく稀に採掘されるレアメタルが様々なエネルギーを分解する性質を持ってるって聞いた事がある、それで造られたのか!
『うらあっ!』
オレの刃が弾かれるとオレに向って即足蹴りが放たれた。
「がっ!」
オレは宙に山を描くと地面に転がった。
それと同時にボーガは投げた鎖を手元に戻すと再びオレに向って放たれるとオレの首に絡みついた。
「がっ?」
『がああっ!』
ボーガが耳元まで口を開くと真っ赤な炎を吐き出した。
「うわああっ!」
オレは炎に包まれた。
作品名:SAⅤIOR・AGENT 作家名:kazuyuki