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 不破さんはものすごい目立つ、
 現実世界にツインテールなんてあんまりいないし、見た目的にすごい美少女だし、それに前髪につけてるロンは女の子がつける髪留めには厳つ過ぎる、嫌でも目に止まる、
「あの、すみません、ちょっと良いですか?」
 買い物帰りの自転車に乗った伯母さんに不破さんを尋ねた。
「ああ、その子ならこの先の公園の側で見かけましたよ」
「そうですか、ありがとうございました」
 私は頭を下げると公園に向った。

 やって来たのは桜星児童公園だった。
 しかしそこには不破さんの姿は無かった。
「はぁ、どこに行っちゃったのよ…… あれ?」
 私は頭を掻くとまたあの感覚が脳裏に走った。そして今度は泣いてる女の子が頭を過った。
「……やっぱり違う、デジャ・ブなんかじゃない!」
 そう、私はかつて不破さんと同じ子を見た事がある、初めてあった時も不破さんは誰かに似ていた。
 普段は明るいし破天荒だし向こう見ずな性格だけど、彼女にはどこか影があった。私の知り合いなんて大していないけど、私の知っている誰かだった。
 里中先生や担任とも違う、水城先輩や他の生徒会の役員達とも違う、クラスメートとも違う、とは言え兄貴とも(知能レベルは同じ)違う……
「誰だったかなぁ……」
 腕を組んで考えていると私の左腕のブレスがピコピコと鳴り響いた。
「あれ、これって……」
 これはセイヴァー・エージェントが何かあった時にサポーターが発する救援信号だった。
 ブレスに矢印が浮かぶと私はその方向に進んで行く、公園を出て少し歩くがそこには誰もいなかった。
「おかしいなぁ」
 反応はここから出ている、
 辺りを見回すがそこには誰もいない、
『マイ、マイ』
「えっ?」
 私は下を見るとそこにはロンが落ちていた。
「ロンっ? 何やってるのこんな所で? 不破さんは?」
 私はロンを拾い上げて訪ねる、
『分らない、お嬢ったら私の機能を止めてどっかに行っちゃって……』
 サポーターは電源を切られてもしばらく経つと再び作動する仕組みになっていると言う、
「不破さんったら……」
『安心して、お嬢の居場所ならどうにかなるわ』
 サポーターは宇宙にある地球の人工衛星に紛れているセイヴァー・エージェント専用の人工衛星にアクセスし、登録してある主のDNAの波動を察知する能力があると言う、
 改造人間に異星人に超能力など見た事のある私にとってセイヴァー・エージェント専用の人工衛星があるなんて最早何も驚かかなった。でもそれによるとすごい速さで移動していると言う、
『ここから北東にすごい速さで進んでる、多分車にでも乗ってるんだろうけど……』
「車? お金持ってなかったんじゃ……」
『無一文って訳じゃ無いわ、確か…… 1450円くらい持ってなかったはずよ』
「あと20日間どうやって過ごすってのよ?」
 確か兄貴が月末にセイヴァー・エージェントの給与が支給されると言ってた。
 あのマンションの家賃は自動的に抜かれてるから追い出されるって事は無いけど、少なくとも食費や雑費などは自腹のはずだ。
「とにかく兄さんに連絡するわ」
 私は携帯電話を取り出して連絡を入れた。