SAⅤIOR・AGENT
教室に入ろうとした時だった。
「あの……」
私はある女子生徒に呼び止められた。
雪のように白い肌に青い瞳、前髪は切りそろえた姫カットの真っ黒な艶のあるストレートヘア、私より少し背の高い、校章を見ると1つ上の2年生だった。
その先輩は私に向って礼儀ただしく頭を下げた。
「私、2年生の水城・雫と言います、御剣・匠さんは居ますか?」
「えっ?」
それって兄貴よね?
って言うか兄貴と彼女ってどう言う関係? だけど兄貴は……
「御剣君は今日はアルバイトで休んでますけど……」
私がそれを言うと水城さんは物凄く残念そうな顔をした。
「そうですか、失礼しました」
それだけ言って去って行ってしまった。
確かに兄貴は居ないんだけど、悪い事言っちゃったかなぁ?
そして数時間後、下校の時刻となった。
「さてと、今日は何しようかな…… ん?」
振り向くと水城先輩が花壇の花に水を与えているのが目に入った。
何だか凄く似合う光景だったけど、どこか彼女の顔は凄く寂しそうだった。
するとその時だった。水城先輩の丁度真上、3階の教室から薬瓶が落ちてきた。
「危ないっ!」
私が叫ぶ、
「えっ?」
水城先輩は上を見上げる、
「きゃあああっ!」
間一髪、水城先輩に当たる事はなかったが、水城先輩はその場に倒れて如雨露を落とした。
地面に落ちた薬瓶も地面で粉々に砕け散った。何かは分からないけど危険な薬品だったんだろう、白い煙を立てていた。
「水城先輩、大丈夫…… あっ!」
私は思わず顔を顰めた。
転んだ拍子に擦りむいたんだろう、傷口から血が流れていたのだが、その血の色が普通の人間の色と違っていた。
「青い…… 血?」
「ああっ!」
水城先輩は慌てて傷口を白い両手で隠すと私を見て怯えてしまった。彼女は明らかに地球人じゃない、異星人だった。
「何だ何だ?」
「悲鳴が聞えなかった?」
「マズイっ!」
水城先輩の悲鳴で人々が集まってきた。
「こっち!」
「えっ? あ、あの……」
「訳は後で!」
私は彼女の手を引くとその場から離れた。
その際校舎を見上げたのだが、植木鉢が落ちてきたと思われる窓には誰も居らず、カーテンだけが靡いていた。
作品名:SAⅤIOR・AGENT 作家名:kazuyuki