SAⅤIOR・AGENT
それから少し時間が経つと舞はマンションを出た。
だけど千鶴ちゃんの言葉がよっぽど効いたのかお通夜のような顔をしていた。
オレの部屋で休んでいくかと言ったのだが結局帰る事になり、舞を家まで送ると千鶴ちゃんに報告する為に部屋に向った。
「ご苦労様」
千鶴ちゃんは迎えてくれた。
「おう……」
オレは頷いた。
そして早速言った。
「千鶴ちゃん、さすがに言い過ぎだったんじゃないのか?」
「何が?」
「舞に言った事だよ」
すると千鶴ちゃんはため息を零した。
「そうね…… でも、本当に気を付けなければならないのは事実よ、地球でも過去に異星人関係の事件で多大な被害が出た事があったからね」
千鶴ちゃんが言う多大な被害、
それは異星人の存在がバレて地球人どうしが疑い合い殺し合い、それがエスカレートして国や文明が崩壊した事だった。それで宇宙連邦軍が出撃しかけた事があったらしい、
「ま、あいつなら分かってくれるか」
「自信ありげね、根拠があるの?」
「オレの妹だから」
オレは言い放った。
すると千鶴ちゃんは鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしたが、やがて噴出した。
「根拠よりも説得力があるわ」
「だろ」
オレは歯を見せて笑った。
「あ、そうそう、貴方が妹さんを送っている間にゼルベリオスから連絡があったわよ、地球に向けて貴方の仲間達が発進されたわ」
「へぇ、到着は何時だ?」
「地球時間で一週間後、みんな貴方の班のだった子達よ」
「ゲッ、あいつらかよ? もっとマシなのいるだろ?」
「上からの命令だから断れ無いわよ、本当に世話の掛かる子達が増えて困るわ」
千鶴ちゃんは呆れながらため息を零した。
「でも、あの子達は誰より貴方を知ってるし、まだマシなんじゃない?」
「ん、まぁ……」
確かに知らない人間から始めるよりはまだ楽かもな……
「それはそうと次の仕事よ」
千鶴ちゃんは俺に指令を出した。
作品名:SAⅤIOR・AGENT 作家名:kazuyuki