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 夜の空で何かが光った。
 私と里中先生と塩田さんの3人はずっと表で空を見ていた。
 そしてその光は兄貴達がやってくれたからだと思った。
 すると私の肩に里中先生が手を乗せて来た。
「本当に凄いわね、貴方のお兄さんは……」
「兄さんだけの力じゃないですよ」
 不破さん、大神さん、三葉さん……
 そう、みんなの力があって初めて出来た事だった。
 すると塩田さんが言って来た。
「でも羨ましいです、そこまで信じられるなんて」
「そうじゃ無くて、あの人達なら何しでかしてもおかしく無いってだけですよ」
 私は苦笑する。
 信じるって言うか、慣れたって言った方がいいだろうな……
 里中先生もそれは同じ見たいでクスクスと笑っていた。
「あら、噂をすればよ」
 里中先生が指を差した。
 すると空から青・赤・黄・緑の4つの光が私達の方に向かって飛んできた。
 光は私達の前で消えて無くなると兄貴達が出現した。
「よう! ただいま」
 兄貴は見慣れない機械のプロテクターのヘルメットを外しながら手を伸ばした。
 他の3人もボロボロだが地球人の姿に戻ってとても満足そうだった。
「お帰りなさい彼方達、その様子だと全て終わったみたいね?」
「ああ、これでオメガも少しは大人しくなるだろ」
 兄貴は人差し指でヘルメットをクルクル回転させながら言って来た。
 すると今まで微笑していた里中先生が次は深くため息を零すと眉を吊り上げて言って来た。
「でも貴方、貴方達は独断専行で本部から苦情が来てるわよ、詳しい処分が決定するまでセイヴァー・エージェントの活動は禁止だって」
 やっぱりそうなったか。 
 いくら塩田さんを助けるためだからってオメガの基地に勝手に突入したのは事実だ。いくら地球や塩田さんを救った結果でも罰は受けなきゃいけない。
 だが兄貴達は……
「そうか、まぁ悪い事にはならないだろ」
「当然だぜ、何たってオレ様達はヒーローなんだからな」
「わ〜い、謹慎中は何しようかな〜?」
「はしゃぐな! 謹慎と言う物はあくまでも反省期間で……」
 大神さん以外お気楽過ぎた。
 里中先生は最早諦めたと言った感じで話を続けた。
「そうね、連邦軍だったら銃殺刑だけど、貴方達はゼルベリオス本星の精鋭と地球を救ったんだから、そこは評価されるわ…… 最も、貴方達は学生なんだから学校には登校しなさいね」
「ゲッ、それがあった〜」
 不破さんは顔を顰めながら首を項垂れた。
「それと、塩田・恵さん」
「は、はい?」
 塩田さんは返事をする。
 里中先生は塩田さんの左手をつかむと手首に巻かれているセイヴァー・ブレスを外した。
 それを上着のポケットに仕舞うと今度は胸元のポケットからセイヴァ―・ブレスを取り出した。
「これで試験は終了、貴女は合格よ」
「えっ?」
「「「「「はああっ」」」」」
 私達は顔を顰めた。
 だが今回の事は里中先生が塩田さんに与えた試験だって事を思い出した。
「今まで貴女が着けてたセイヴァー・ブレスは発信器は付いてるけど実は偽物なの、現実24時間以上経ってるのに記憶は無くならないでしょう?」
「……言われてみれば」
「こうなる事を知っていたのか班長は」
「やられたぜ……」
「あら、記憶を消すってのは本当よ、そんなの私のエンゼルでも出来るでしょう?」
 そう言えばサポーターの能力でもあるんだるだっけ。
「それでどうする? セイヴァー・エージェントになる? ただ直ぐって訳にはいかないから…… とりあえずは協力者からで……」
 里中先生が言っている最中だった
 すると塩田さんは首を横に振った。
「いえ、私にはそんな資格はありません」
「塩田さん」
 私が言うと一間置いて言って来た。
「私は…… 正義正義って、本当は何のためなのか分かってもいませんでした。そんな私に…… セイヴァー・エージェントになる資格はありません」
 塩田さんは涙を流した。
 あのレンって人の事で思い知ったんだろう。
 すると里中先生は塩田さんの右手にセイヴァー・ブレスを持たせた。
「言ったはずよ、これからどうにかしてけば良いってね…… だからもう一度やってみなさい、そして彼が還って来た時に『お帰りなさい』って言ってあげなさい」
 里中先生が優しく言うと塩田さんは深く頷いた。
 これから塩田さんはセイヴァー・エージェントの良い協力者になる事だろう、私も仲間が出来て嬉しかった。
 これで全部終わった。地球も無事だし、みんなも帰って来た。これ以上私が望んでいた事は無かった。