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 だけどそろそろヤバかった。
 ディザスターも限界だったからだ。
 艦内が再び大きく揺れると壁や床に亀裂が生じ、窓も割れて空気が漏れだした。
 床に転がってるオレのセイヴァー・アームズが外に飛ばされそうになったのを見るとバイスが超スピードで飛び出してセイヴァー・アームズを受け止めて放り投げた。
「タクミっ!」
 オレはセイヴァー・アームズを受け取る。
「お前等先に行ってろ!」
 すると3人は頷いた。
「了解した!」
「そうさせてもらうわ!」
「がんばってね!」
 3人は外に跳び出すとサポーターの能力を起動させ、赤・緑・黄の光に包まれた。
「決着つけようぜ!」
 オレは両手で構えるとβ・モードを起動させる。
 ディザスターの壁から炎が噴き出し、部屋の中が火の海になる。
『お、おのれぇぇえええ-――!』
 シドの胸が左右に開くと口のエネルギー波よりも密度の高いエネルギー波が発射された。
「耐えてくれ、オレのセイヴァー・アームズ!」
 こちらもエネルギー全開を全開にして飛び込むとシドのエネルギー波に叩きつける。
 バチバチと言う音が弾け、踏ん張るオレの足元がジリジリと押し返される。
「うおおおぉぉおおお―――――ッ!」
 ここで負ける訳にはいかなかった。
 オレは持てる力の全ての力を出して光の刃を振り下ろした。
 シドの攻撃はかき消され、がら空きとなった懐に一気に飛び込んだ。 
「ジューカ星人、シド・ガーランド! 逮捕だ―――ーッ!」
 オレはα・モードに切り替えて奴の懐を横一文字に薙ぎ払った。
 見事金色の刃はシドの胴体を切り裂き、切り口が輝いてゼルベリオスへの転送が始まった。
『グオオオオオ……ッ! クッ、ククク……』
 しかし野郎は敗北したってのに笑いだした。
 オレは振り返らないまま尋ねた。
「何がおかしい?」
『こ、後悔しますよ…… 今回の事でオメガ上層部は地球を執拗に狙うでしょう、最早地球に未来は無い!』
「何だそんな事か、心配はねぇよ」
 オレは鼻で笑う。
 振り返ると地球を背に左手の指を自分の胸に突き立てた。
「地球には、オレ達がいるからだ!」
 断言する。
 地球にオレ達がいる限り死の商人が来ようが宇宙海賊が来ようが、絶対守って見せるってな!
 オレはセイヴァー・アームズを両手で持つと唐竹から真っ二つに切り裂いた。
『ギャアアアアァァァ―――――ッ!』
 断末魔を上げながらシドはゼルベリオスに転送された。

 ついにディザスターは大爆発を起こし、木っ端微塵に砕け散った。
『タクミっ!』
『間に合わなかったか……』
 バイスは眉間に皺を寄せる。
『……いや、帰って来たぜ』
 サイモンはニヤリと笑う。
 爆発が消え、静まり返った星の海の中に青く輝く球体がこちらに近づいて来ていた。
『タクミ!』
『待たせたな!』
 タクミは仲間達に呼び掛けた。
 球体内では自分以外の3人の顔がテレビ画面のように移された。
『やっと終わったな』
『ああ、だけどオレ様達はこれから大変だぜ』
『そうだな、独断でオメガに突っ込んだんだ。それ相当の罰は受けなければならんな』
『別に良いよ、後悔なんかしないモン』
『んじゃ、さっさと帰ろうぜ』
 タクミが言うと4つの光は地球に向かって飛んで行った。