SAⅤIOR・AGENT
オレ達はサポーターの能力で宇宙へ飛んだ。
サポーターは宇宙船となって宇宙空間を移動する事が出来る、オレも地球に還って来る時もこれで運んでもらった。
『見えたぞ!』
バイスからの無線が入る。
確かに目の前に物騒な形の衛星が浮かんでいた。明らかに地球のモンじゃない。
するとディザスターから無数のレーザー砲が出現して一斉に火を噴いた。
『行くぞ!』
纏まっていると的になるのでオレの合図で別れて攻撃を回避した。
向こうからしてみれば的は小さいんだし、当てようとしても当たるモンじゃ無い、オレ達はディザスターの外装をぶち破って内部に侵入する事に成功する。
オレ達が侵入した壁の穴から空気が漏れだし、それを防ぐ為に通路のシャッターが降りつつあった。
慌ててシャッターを潜ると同時に宇宙飛行モードを解除し、セイヴァー・アームズを構えて臨戦態勢を取った。
途端オメガの警備システムがオレ達の前に現れた。
頭は黒いドーム状でガラス張りののっぺらぼう、その下は黒い装甲の両手がキャノン砲になった2足歩行のロボットだった。
「すんなり行かせてはくれないってか」
オレが切っ先を向けるとバイスとファーランがオレの前に出た。
「お前等?」
「タクミ! お前は先に行け!」
「アタシ達が足止めしとくから!」
そう言うと2人はセイヴァー・アームズを構えてロボットに突っ込んで行った。
ロボット達の両手から砲撃が放たれるとバイスが先頭になって両手で構えたポール・アクスを回転させて敵のレーザーを塞いだ。
その後ろからファーランがジャンプしてバイスを跳びこえるとロボット達に向かって拳を振り下ろした。
「β・モードっ!」
ファーランの赤く輝くトンファーがロボットの装甲を打ち抜くと強引に引き抜いて近くの別のロボットを攻撃した。
バイスの方もセイヴァー・アームズを両手で構えてロボットを唐竹から真っ二つ、さらに体のばねを利用して渾身の力で周囲の戦闘員を薙ぎ払った。
「あと頼むぜ!」
オレはその隙を狙って先を急いだ。
しかし相変わらずロボットの攻撃は激しかった。
目の前のTの字の突きあたりを左に曲がるとその先にはロボット達がいた。
「やべっ!」
ロボット達の一斉砲撃が放たれるとオレは慌てて来た道を戻って身を隠して攻撃を回避する。
「ったく、時間がねぇってのに!」
オレは舌打ちしながらテレポートを使ってロボット達の背後までワープすると身を翻して攻撃した。
「うらああっ!」
瞬時に真っ二つに切り裂かれ、ロボット達は木っ端微塵に爆散した。
攻撃が止んだのでオレは一息整えた。
「はぁ……」
ったくこんなバカでかいの作りやがって、コロニーじゃ無くて戦艦じゃねぇか。
あの野郎、絶対ボコボコにしたあとでゼルベリオス行きだ。
そう決めながらオレは眉間に皺を寄せて歯を軋ませながら走り出した。
作品名:SAⅤIOR・AGENT 作家名:kazuyuki