SAⅤIOR・AGENT
衛星軌道上に浮かぶオメガの人工衛星『ディザスター』のステルス機能が解除された。
軽く500メートルは超えるだろう、赤黒い装甲の円柱型のレーザー砲に棘が生えた輪がかけられたような形状の衛星兵器に地球攻撃の為のエネルギーが充填されつつあった。
内部ではオメガの工作員達がシドの指揮の元、最後の仕事に取りかかっていた。
「大分予定は狂いましたが、これでデモ・ストレーションは完了します、各自準備を怠らないように」
姿形は地球人と同じだろう、逆立った赤い髪、金色の瞳に青い皮膚、黒いマントを羽織ったジューカ星人、シド・ガーランド本人が工作員達に命令を下した。
『『『『『ハッ!』』』』』
それに答える工作員達。
シドは司令官用の座席に腰をかけて息を付く。
しかしその時、ディザスター内に警報が鳴り響いた。
「何事ですか?」
『何かがディザスターに接近してきます!』
オメガ工作員がモニターを写す。
すると地球から青・赤・緑の3つの光の球体がディザスターに迫って来ていた。
その光の正体をシドは分かっていた。地球で散々邪魔したセイヴァー・エージェントだった。
「チッ、こんな所まで…… 撃ち落としなさい!」
シドは怒りに震える拳を握りしめるとセイヴァー・エージェント達への迎撃命令を下した。
作品名:SAⅤIOR・AGENT 作家名:kazuyuki