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 サイモンは表で苦戦を強いられていた。
『がああっ!』
 ヘル・デストロイヤーは地面を砕いて倒れた。
『へ、中々やるじゃねぇか』
 サイモンは立ちあがる。
 だがグロウスは太い足で大地を踏みしめながら近づくと両手から鋭い爪が伸びてヘル・デストロイヤーの装甲を切り裂くと火花が宙に舞った。
 さらにグロウスの両肩の角がスパークすると雷撃が放たれてヘル・デストロイヤーのボディを駆け抜けた。
『があああっ!』
 サイモンは苦しんだ。
 普通ロボットに痛みなど無いのだが、サイモンはヘル・デストロイヤーのシステムと一体化している為に受けたダメージをそっくりそのまま受け取ってしまうのであった。
『や、野郎!』
 サイモンは痛みに耐えながらグロウスの弱点を探した。
 しかし雷撃のせいで内蔵のメカがショートし始め、カメラの画像が乱れた。
 本来なら役目を終えたサイモンは逃げても構わなかった。しかしサイモンは仲間を見捨てて逃げる事は出来なかった。
 理由は2つ、1つは造ったロボットの性能を確かめたかった事、もう1つは仲間を大事にしているサイモンは仲間の無事を確認したかったのだった。
 するとヘル・デスストロイヤーのアナライズ・システムはようやく弱点を見つける事に成功した。
『奴の弱点は背中の角か、分かりやすいぜ!』
 サイモンは全エネルギーをフル稼働させて立ち上がった。
 頭の3本の角が光り輝くとクリスタルで出来た青く透き通ったピラミッドの様なバリアがヘル・デストロイヤーを包み込んで雷撃を防いだ。
 わずかな隙を狙って両手を伸ばすと指の先端からマイクロ・ミサイルを発射した。
 ダメージは少ないが相手を怯ませるには十分だった。
 グロウスがよろけるとサイモンは背後に回り込み、大蛇の様な尻尾をつかんで渾身の力を込めて振りまわした。
『どりゃああああっ!』
 ジャイアント・スイングは突発的台風の様に周囲の木々を大きく揺らした。
 手を離すとグロウスは地面に放り投げられて地面を擦りながら土煙を上げる、さらにサイモンの攻撃はまだ続く。
『オラアアっ!』
 サイモンの両肩のエネルギー・バズ―カが火を噴いた。
 轟音と供にグロウスの背中の角が砕け散った。
『ギャアアアアッ!』
 グロウスは強いダメージを受けて大きく咆える。
 最後にヘル・デストロイヤーの胸の鮫の口が開くと砲口が迫出て来てエネルギーがチャージされた。
『食らいやがれ!』
 サイモンは凝縮されたエネルギーを解き放つとグロウスに浴びせた。
『ギャアアアア――――ッ!』
 グロウスは断末魔を上げながら倒れて大爆発、細胞1つ残らず塵に還った。
『ふぅ、さてと……』
 サイモンは目の前のオメガの本拠地を見た。