SAⅤIOR・AGENT
匠が桜星学園に行っている間、匠達のマンションの地下数メートルにあるサイモンのラボ。
学校の教室ほどもある金属張りの部屋の天井には空調が設置され、壁一面には無数の17インチのモニターがびっしりと取り付けられていた。
サイモンは自らの変身を解き、デスクに置かれパルスを通して千鶴と交信しながら目の前の機械を組み立てていた。
『おいおい、本気かよチヅルちゃん、オレ様にそんな事頼んじまってよぉ?』
『こんな事できるのは貴方ぐらいでしょ、ただし事を荒立てない事』
『ОKОK! いいねぇ、大義名分が付くってよ』
『言っておくけど、頼んだ事以外の事については私は責任取らないわよ』
『へいへい、わ〜ってますよ』
『そう言えば貴方、最近何か作ってるみたいだけど……、またとんでも無い物を作ってるんじゃないでしょうね?』
『そいつはまだ言えねぇよ、だけど楽しみにしてなって、面白い事になっからな』
『……貴方の面白い事にはロクな事が無いと思うんだけど、まぁ良いわ、じゃあ頼むわね』
それだけ言うと千鶴からの連絡は終わった。
すると今度はパルスが訪ねて来る。
『言われちまったぜリーダー?』
『いつもの事だろ……、それに折角千鶴ちゃんから折角頼まれたんだ、ちょっくら楽しませてもらおうぜ』
サイモンは再び作業に戻った。
作品名:SAⅤIOR・AGENT 作家名:kazuyuki