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『ガアアァ……』
 何と怪獣の背中に亀裂が入るとファーランよりも巨大な翼が飛び出し、さらに体が盛り上がってまるで服を脱ぐかのように脱皮した。
 怪獣のダメージはすっかり無くなり、さらに進化していた。
 こいつの厄介なのは再生能力だけじゃない、ダメージを与え続けると状況に応じて進化する事だった。
『ゼィ…… ゼィ……』
 怪獣は息を荒くしていた。
 どうやら脱皮には凄いエネルギーを使うみたいらしい、
 だが中々動こうとしない事から脱皮直後はまともに動く事すらできないみたいだった。
「マズイな……」
 これ以上下手に攻撃を続ければ奴の進化の手助けをする事になる、
 とは言え奴をほおっておけば辺りは焼け野原だ。
「一気に仕留める必要がある」
「サイモンはまだか?」
「お〜い」
 するとサイモンがオレ達に近付いて来た。
 この時のサイモンには手が無いから念動力で運んでいた。
「出来たぜ! 受け取れ!」
 オレはサイモンから得物を受け取った。
 見た目はオレのセイヴァ―・アームズと変わらなかった。
「おい、本当に大丈夫なのか?」
「計算上は問題ない…… だけど一発勝負だぜ」
 つまりこれをしくじれば終わりって事か、
 訓練用セイヴァ―・アームズのエネルギーを1つに繋いだんだから使いきればエネルギーは無くなるらしい、
「貴様がやれ!」
「オ、オレが?」
 オレは迷った。
 あの巨体で避けられる心配は無いだろうが、あの怪獣が急所である頭への攻撃を大人しくさせてくれる保証が無かったからだ。
『タクミ! アタシが抑えるよ』
「バカ! お前それで痛い目みただろ!」
『大丈夫! こいつをほおっておけない!』
 ファーランは怪獣の方を見る、
 まだ文明が出来てない弱肉強食がこの星の掟だ。
 造られたこいつに責任がある訳じゃないが、こいつは本来この星の命…… いや、生まれてくるべき命じゃない、
 全てを破壊し滅ぼす為だけに造られた存在だ。ほおっておけばこの星の生態系を大きく狂わす、
『グルルル……』
 怪獣の皮膚が黒くなり始めた。
 皮膚の硬質化が始まり、呼吸も落ち着きはじめた。
 そして翼を大きく羽ばたかせると台風無体な強風が吹き荒れ、怪獣の巨体が宙に浮かんだ。
『後よろしくっ!』
 ファーランは飛び出すと再びからみついて動きを封じる、
 怪獣はバランスを崩して地面に落ちるとファーランが両手で怪獣の頭を抑えた。
『タクミ早くっ!』
「よし!」
 オレは覚悟を決めるとセイヴァー・アームズを構えて発動させる、
 途端強い光が放たれると刃の形を作った。
「す、すげぇ……」
 オレは呆気にとられた。
 今まで訓練用のしか使った事はないがこいつは明らかに違う、
「早くしろ、このままじゃあいつももたない!」
 バイスがファーランを見る、
 怪獣は再び放電してファーランを振りほどこうとする、
 しかし前回は油断したんだろうが今回は牙を食いしばりながら相手を封じていた。
「行くぞ!」
 オレは怪獣に向かう、
 そして大ジャンプ、怪獣より高く飛ぶとセイヴァー・アームズを両手で構えて渾身の力で振り下ろした。
『ギャアアアアアッ!』
 怪獣は頭から緑色の鮮血を噴水と言うか滝のように地面にぶちまけながらその場に崩れ落ちた。
「やったぜ…… うっ!」
 いきなり俺の体の力が抜けてその場に膝をついた。
 それと同時にセイヴァー・アームズから光が消える、
「体中のエネルギーを使い果たしたんだ。少し休んだ方がいいぜ」
「ああ、だけどこんな所じゃ……」
「アタシに捕まって」
 ファーランは人間体に戻るとオレの腕を自分の肩に回す、
 ボロボロのオレ達はその場を離れた。