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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「仮面の町」 第十六話

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「説明します。きっと警部は上司から事故に関する全てを提出するように指示されて、最終的には証拠を隠滅されてしまう可能性がありましたから、同じ職場の陽子さんに頼んで、だまって隠すように依頼したんです。この手帳は今ボクの手にある最大の証拠物件なんです。見ますか?」
「いや・・・いいよ。そこまで用意周到に進めているんだなキミは。考えさせられるよ」
「相手が久能さんですからね」
「陽子さんも優子が頼んだのだろうけど、迷惑を掛けてすまないね」
「おじさま、最初はこの人たち何を考えているんだろうと驚かされましたが、署内の動きや山崎警部の移動を見せられると・・・これはおかしいって強く思うようになりました。弘一さんの今までの努力を無駄にしてはならないと・・・そして同じ警察に勤務するものとして正しいことをねじ曲げるような久能の暴挙は許せません」
「あなたのような若い女性がそれほどまで考えていると言うのに・・・私達大人は情けないって思うね。弘一くんのやろうとしていることが明るみに出て世間が非難し始めたらその声の後押しをさせてもらうよ。そうならないのなら・・・なるように裏から行動を起こすよ。具体的には言えないけど、組合に話して選挙で白黒つけさせるとか、議会の解散要求とかやれることはあるからね」
「おじさん!それは本当のことですか?」
弘一は顔を見てそう尋ねた。