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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「仮面の町」 第十六話

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「弘一さん、お邪魔します」
康夫が不思議そうに顔を見て、
「陽子さんは弘一くんを知っているのかい?」
「ええ、よく知っていますよ。だって・・・優子の彼なんですから」
「そうか、そうだったな」
「ちょうどよい機会だ。陽子さんも一緒に話そうよ・・・」
「この手帳の件のことね・・・」差し出した黒いあまり綺麗とはいえない手帳を見せた。
「なんだいこれは?」
「弘一さんに頼まれた山崎警部のいつも持っていた手帳なんです、おじ様・・・」
「何で陽子さんが山崎さんの手帳を持っているんだい?」
「弘一さんに頼まれて、ちょっと拝借してきたんです」
「拝借?黙って?」
「そうです・・・悪いとは思いましたがそうしろって言われましたから」