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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「哀の川」 第三十三話

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潤子は読経を終えて、持ってきた小さな髪飾りを墓に供えた。娘を思う親の気持ちが環の母親に伝わったのだろう・・・もう立っていられないほど、泣き崩れてしまった。その肩を抱き、純一も涙を堪えることが出来なくなってしまった。

「お母さま・・・本当にごめんなさい、ボクが・・・ボクが・・・」もう言葉にならない。母親は、純一の言葉を制して、首を横に振って返事した。

「何を謝っているの?あなたには何の罪もないことなのに・・・環のこと大切に思っていただいただけで、十分ですから・・・これからの人生を環の分まで幸せになって下さい。あなたにはそうして欲しい・・・由佳さんを幸せにすることが、環への供養になると思います」
「はい、そうします。絶対に幸せにします。墓前に誓って、ボクと由佳は結婚して幸せになります。子供もたくさん作って楽しい家庭を作ります。環先生、応援して下さいね・・・ボクと由佳を守って下さいね・・・」