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アイラブ桐生 第4部 49~50

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 用心をしながら下っていたのですが、思いのほか滑った足元のため、
あっというまに、おちょぼが体勢を崩してしまいました。

 足元の支えを失ったおちょぼが、
前のめりとなって、私のほうへ崩れて落ちてきます。
あわてて受け止めようとしましたが、こちらの足元も、
やはり濡れたままの傾斜地です。
かろうじて踏みとどまりはしましたが、無理な体勢すぎたため、
おちょぼとは、これ以上はないだろうというほどの、
密着状態になってしまいました。

 小柄な「おちょぼ」が私の胸の中で、
すっぽりと収まってしまいました。
両手で、必死になって帽子を押さえている
「おちょぼ」の顔は、真っ赤です。
胸の鼓動まで、しっかりと聞こえてきそうなほどの
至近距離です。



 「こわかったぁ~」


 甘えるようにつぶやいてから、おちょぼが、
私の胸へ顔を埋めてしまいました。
子供だとばかり思っていた「おちょぼ」が、
予想外なほどふくよかで弾力のある胸の持つ主であることに、
たった今、ここで初めて、気がつきました。
ほのかに匂い立つおちょぼの甘い香りまで、
ここまで漂ってきます・・・・。



 「いやゃわ~、いけず。」



 胸と帽子を押さえて、目をまん丸にした「おちょぼ」が、
アッと声をあげたあと、バネではじかれたように、
あわてて後方へ飛びのきました。
今度は、耳まで真っ赤に染めあげています。


 3歩か4歩ほど離れたというのに、
激しく高鳴る「おちょぼ」の心臓の音がここまで確かに、
はっきりと聞こえたような、そんな気さえしました。
それはまた、私の心臓にも同じことが言えました。
妖しささえ覚えた私の胸の高鳴りは、
実は少女だとばかり思っていたおちょぼの中に
きらめくような女性の雰囲気を見つけてしまい、
ただただ戸惑っているばかりの、
私自身が、そこにいました。