さくらの木靴
わたしはさくらの古木を買い、少女と同じサイズの靴を買った。
文献で中国の木靴を調べた。
どうにか出来上がったのは1カ月後であった。
わたしは母親に電話をした。その日に、少女のアパートに行った。
母親にも靴を買った。
チャイムを鳴らすと、チェーンを外す音が聞こえた。
「この間はありがとう」
「はい。約束の靴」
少女は玄関の廊下に腰をおろして足を出した。
「足に合うといいな」
「舞子はシンデレラみたいだね」
母親の嬉しそうな顔は少し化粧をしていた。
わたしは彼女に彼女の靴を手渡す時に手が触れたように感じた。
「ではこれで」
「御茶でも・・・」
ドアの外で彼女の声が聞こえた。