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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「仮面の町」 第十五話

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「お父さん、お母さん、明けましておめでとうございます」
「弘一くん、おめでとう。優子をよろしく頼むよ。夏には孫が見れるから本当に今から楽しみなんだよ。キミも父親になるんだから十分に考えて生活をしてくれよ」
「ありがとうございます。新年早々お願いがあるのですが・・・お話しして宜しいでしょうか?」
「ああ、なんだい?」
「ええ、実は近く久能肇さんに会いたいと考えています。今までこの数ヶ月間久能が起こした事故の処理をめぐって真相を掴む努力をしてきました。それはご存知ですよね?」
「聞いているよ優子から。キミから聞くのはこれが初めてだけど・・・解ったのかい?」
「はい、久能の運転手だった深谷隆一さんが事故に見せかけられて先日亡くなってしまいました。殺されたとボクは見ています」
「何だって!運転手の深谷くんが?知らなかった・・・本当なんだな?」
「本当です。ご存知なんですか?」
「何度か会った程度だったが、知ってるよ」
「そうでしたか・・・残念に思われますよね。久能さんはもうボクの中では許される人物ではないんです・・・今判明している事実を裁判所に持ち込んで訴えることも出来ますが、明らかにこちら側が不利なんです。色々考えましたが時間が経過することは証拠隠滅への近道になると思うので、直接会って真相を話そうと考えています」
「そんな事をしたら・・・命が危ないんじゃないのか?深谷くんのようになってしまうぞ、辞めなさい」