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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「仮面の町」 第十五話

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「警部・・・やられましたね。僕の懸念していた最悪の予想どうりになってしまいました。ちょっとショックです」
「弘一くん、俺の早まった判断が深谷の命を奪い、俺が排除されるようなことになった・・・すまない、この通りだ許してくれ」そう言って酔ってはいるが真面目な表情で頭を深く下げた。
「そんな事しないで下さい。僕がきっと呼び戻して見せますよ。あなたがこの町の新しい正義の人で居て欲しいから」
「ありがとう・・・そうなれたら命に代えて使命を果すよ」
「大丈夫ですよ。任せてください・・・こうなったら、最後の手に出ますから」
「最後の手?なんだいそれは」
「乗り込むんです。久能肇の牙城に」
「なんと言うことを・・・それは危険だぞ」
「虎穴にいらずんば虎児を得ず・・・そういう教えがあるじゃないですか。関が原の時に薩摩の島津義久は家康の前を堂々と整列して逃げたと言います。堂々と渡り合えば相手もそれなりに受け止めると思うんです」
「う~ん・・・そんな手が通じる相手なんだろうか心配だよ」
「やってみないと解りませんから。それにボクは知られていないから会う約束をしても根回しされる事は無いと思うんです」
「根回し?」
「ええ、深谷さんはきっと準備されて気付かされずに罠に落ちたと考えます。そういうことが僕には無いと思うんです」