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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「仮面の町」 第十五話

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署長が戻って数台のパトカーが市内を巡回するようになった。やがて通報があり町の中心を流れる鞍瀬川(くらせがわ)の堤防から車が転落したようだと無線が入った。近くに居たパトカーが駆けつけて現場に着いた。
スリップの跡がありどうやら川に転落した様子だったのでレスキュー隊の出動を要請して川を捜索した。車は直ぐに見つかった。
そして運転していた深谷隆一の遺体が確認された。体内から大量のアルコールが検出され、飲酒居眠りによる事故と判断された。

署内に居た山崎はその報告を聞いて舌打ちした。

「ちぃっ!やられたか・・・久能の奴そこまでして身を守ろうとするのか、卑劣な・・・」
翌朝、署長から呼び出しを受けた山崎は突然の辞令を受けて愕然とした。それはすでに本署に根回しをして準備されていたことであった。
受け取った辞令には一月一日より本署交通課への転勤が書かれてあった。偶然にも退職者が出て空席があった事につけ込んだのであった。

年末の仕事納めの日駅前の屋台で酒を飲んでいた山崎を訪ねてきた男が居た。そう・・・それは弘一だった。