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てっしゅう
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「哀の川」 第三十一話

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「はい、今、出たの・・・じゃあ、着くのは11時半頃だね。ボクが迎えに行くから・・・ん、改札出たところでね、じゃあ」
杏子はジーンズと明るい色のポロシャツ姿でカバンを持って立っていた。
「純一!ここよ!」手を大きく振っていた。
「杏ちゃん!久しぶりだね・・・会いたかったよ」
「純一!本当?会いたかったって・・・うそでも嬉しいけど」
「相変わらずいじわるを言うね・・・ウソじゃないよ、ボクと杏ちゃんの仲じゃない」
「信じることにするわ・・・それよりあなた大人になったわね!すぐ浮気なんかできちゃうね、女性がほって置かないだろうから・・・」
「またそんなこと・・・それより、どうぞ、車で送るから」
「そうか、車乗っているんだったね。もう19歳だもんな・・・嫌になっちゃう・・・私が老けちゃって」
「そんなこと無いよ。まだまだいけるよ、自信持たなきゃ!」
「何がいけるのよ!40過ぎているのよ・・・純一以外に相手してくれる男性はいないわよ・・・」
「ええ?ボク以外いない・・・それは責任重大だなあ・・・ハハハ」
「そう、責任重大よ!覚えておきなさいね、フフフ・・・」

なにやら意味深な言葉を残して、二人は家に向かった。着いて、両親に挨拶をして、一通り新築祝いを渡した。大喜びの母と父は、直樹たちが来たときと同じように、六甲山ホテルへ食事に誘った。