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私は殺される!同人作家・沙織

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沙織は男子高校生になりたい。それが、やおい系小説を書くきっかけ



 沙織は中学受験の時、都立工業高校に進学したかった。沙織の母は、ハードは頭打ちだから、ソフトウェア関係の勉強をするように薦めた。親子でも意見が食い違う。結局、英会話が上手だしグローバルで仕事するなら、ソフトウェア関係の高校に進学した。高校の授業は、英語で行われインターネットの回線を使い東南アジアやオーストラリア・ニュージーランドの高校生たちと会話しながら勉強をした。自分で作ったプログラムとかDTP作品、パソコンで作ったイラストなど世界各国に公開した。男子生徒は日本人が多いが、女子生徒はいろんな国の人たちばかりである。


 沙織が高校に入学した時代、長いスカートの制服なのにヒステリックな女性運動家からスカートを切られ「体制派」「不道徳!これからの女性はスカートを履くな」と怒鳴られた。それ以来、沙織はスカートは履かない。ジャケットにパンツスタイルで高校に通うようになった。
「男性なら、ハード関係の勉強ができるのに。電子工学とか機械工学なども。最近の電気製品は、とても複雑でブラックボックス化しているから、それを探求したいの。所詮、人間が考えて作ったものだから」
黒猫は答えた。
「21世紀前半までは女性はセックスアピールが自由にできたのに、今はドレスコードが厳しいし、日本人の女性たちは結婚の自由がない。それに女性解放と言いながら、女性たちを縛り付ける。確かに女性だけの特権も増えたけど、何かおかしいわ」
「結局、女性運動とはなんなの?フェミニスト原理主義者の自己満足じゃないの」

 沙織は女性が運転するタクシーを呼んで旅館まで送ってもらった。
「こんど生まれ変わったら、男性になりたい・・・」
「で、私も男性に生まれ変わって、男子校に入り、男同士でキスして抱き合って」
「ねえ、これを小説にしない」
沙織はボイスレコーダーで自分の小説のアイデアを録音した。

「今度は私みたいな大人の女性が男子高校生に転生して、かわいい男の子と裸で抱き合う話しを書くわ」
沙織の妄想が膨らむ。