赤い傷跡
「もう!!課題なんて無理だよー!」
「いいじゃん!黒崎くんと一緒なんだから!」
「やだよ!逆に息苦しいもん!」
「あぁ、今すぐにでも真輝の変わりに居残りを変わってあげたい」
「え?じゃあ変わってくれる?」
「…冗談よ」
昼休み、亜紀と屋上で一緒に昼食をとりながら話をしていた。
その時
話題にでたのが、黒崎くんと一緒に課題をするようになったこと。
「山田のことだから課題いっぱい出されるよ~」
ニヤニヤしながら亜紀は購買で買ったメロンパンを頬張った。
その瞬間風が大きく吹いてあたしは慌てて焼きそばパンが飛ばされない様に押さえた、亜紀のメロンパンは虚しく風に飛ばされゴロゴロと転がっていった。
「あーー!!」
亜紀は転がったメロンパンを取りに行こうとするが、
「あ、カラスだ」
カラスは転がったメロンパンを上手にくわえると何処かに飛んでいってしまった。
「あたしのメロンパン!!!」
亜紀はすごい顔でカラスを追っかけたがカラスは青い空に消えていった。
「~もう!半分も食べてないのに!!」
「…あたしのちょっとあげるよ」
「ありがとう…」
あたしは、哀れな目で見ながらそう言うと亜紀は今にも泣き出しそうな声でお礼を言った。
「てか、今日カラス多いよね。」
あたしはそう呟きながら周りの住宅街などを見た。
家の屋根や電信柱にカラスがたくさんとまっている。
「物騒ね」
亜紀が頬を膨らませながら周りのカラスたちを睨んだ、
しかし周りのことも気にせずカラスはただただ、存在を確かめるように羽を広げ鳴くだけだった。