赤い傷跡
社会のテスト
10点満点中2点。
やっぱりと思いながらあたしはプリントをグシャッと握って机に突っ伏した。
隣の和也はそんなあたし見て「バーカ」と小声で言って笑ってきた。
(くそ…ムカつく…。)
睨み付けてるがあまり効果が無かったらしい。
「じゃあ、5点以下の奴は手をあげろー」
「……」
ためらいながらも手を挙げると、周りがざわざわと騒がしくなった。
「…岸田と黒崎だけだな、二人は後で先生のところに来るように。」
最悪な事に5点以下が二人だけといい、そのあとの一人だが黒崎くんだった。
黒崎くんは休んでいたから仕方がないが、知っていてクラスの中で一人だけ赤点をとったことにひどくショックを受けた。