赤い傷跡
学校に着き、自分のクラスへと入った。
席につくと友人の亜紀がニコニコしながらこちらにやって来た。
「おはよー、真輝。」
「おっ、なに?なんかあった?」
聞いてみると亜紀はポニーテールの髪を揺らしながら「それがね!!」といかにも叫びそうな声で「今日ね!黒崎くん来たんだよ!」と言いながら机をバンバン叩き出した。
「ちょ…そこあたしの机、」
「でさ、さっき先生に呼び出されて職員室行っちゃったの!大丈夫かなぁ?」
「…へえ」
あたしは、呆れながらも、一応その話に興味はある。
黒崎、黒崎 蓮は、2年になって5月からずっと不登校だった人だ。
まれに一ヶ月に2、3回来ることもあり顔は少しだけ覚えてる。
髪は真っ黒で顔はかなりイケメンだが、ただ目付きが怖い。
でも性格は普通で話しかけても普通にかえしてくれるし、他の男子にも結構馴染んでる。
そんな黒崎くんを亜紀はすっごく好んでおり、来るたんびに今の様に興奮を隠しざるおえない。
「そんなに好きなら告白すれば?」
「え、いや、しないよ」
「え!?なんで?」
あたしが意外な答えに驚くと亜紀はフフンと鼻をならした。
「好きなんだけとあたしは、恋愛的なわけじゃなくてただ黒崎くんはあたしにとって、見て癒されるだけなの、」
「…」
それはそれで気持ち悪い。
「うっわー、お前それマジでいってんのか?」
と、そこに隣の和也が話に突っ込んできた。
「なによ和也。いきなり入ってくんな」
亜紀のキツイ言葉を浴びながらも「お前癒されるって気持ち悪いこと言うなよ。黒崎がかわいそうだろ」
ゲラゲラ笑いながらそう言うと、「はやくしねぇとチャイム鳴るぜ」と言って、時計を指差した。
チャイムが鳴って、担任の先生が入ってきて、その後ろから黒崎くんが入ってきた。
黒崎くんは自分の席につくと溜め息をついた。
(もしかしたら、山田に散々怒られたな、)
山田とはうちの担任の先生である。
山田はすごく説教が長く、時には二時間説教が続くとか。
「えー今日の朝自習は、社会のテストをやるぞー。もちろん皆勉強してきたよな。」
「!!!」
(やばいやばい、テストの事忘れてたー!!!)
血の気がサーッと引くのが分かった。
(もうダメ…今日居残りだ)
居残りを覚悟してあたしは頭をかかえながらテストに挑んだ…。