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赤い傷跡

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「や、やっと終わったー!!」
そう叫んであたしは、疲れた体でそのまま床に寝転んだ。
「汚いぞ。」
そう言って彼は呆れた顔であたしを見下ろした。
「…」
少し恥ずかしくなってあたしはすぐに体を起こして、服についたホコリを叩いた。
「とにかく、これ先生に渡してこよう。」
あたしはそう言って重い課題を持ち上げた。



「ふむふむ、ご苦労様…」
山田は課題を受けとると時計を見て「もうこんな時間だから早く帰るように」
と言って職員室に入った。

「はぁ…帰ろっか」
あたしは、そう言って足元に置いていたカバンを肩に掛けると
黒崎くんがこちらをずっと見つめて


「気をつけて帰ろよ」と言った。
あたしは、嬉しくなって「うん」と返事をした。
背を向けて帰ろうとした彼を見てあたしは思い出して、
「ちょっと待って!!」と言って呼び止めた。
黒崎くんは真っ黒な髪を揺らして振り向いた。

「明日学校来る?」

「…分からない」

「じゃあ、あたしからのお願い。」

「…?」

黒崎くんは少し首を傾げる、あたしは偉そうに腕を組むと仁王立ちになった。

「あしたから、真面目に学校に来ること」

「!」

黒崎くんは一瞬驚いたがやがて普通の顔を戻す、そして少しずつ微笑んでまた背を向けて歩きだした。

あたしも帰ろうと、歩きだした。
すると廊下の窓から女の子が覗いていた。
「?」
近づくと女の子は身を縮めて何処かへ去っていった。
「変なの」
特に気にもせず、あたしは少し暗くなった外へと進んでいった。

作品名:赤い傷跡 作家名:麗潤