赤い傷跡
「…!!この傷どうした?!」
「え?」
そう言って黒崎くんはあたしの手首をいきなり掴んできた。
手首の赤い傷を見てビックリしたのだろうか、
「あ、大丈夫!これ昔からあるから、」
そう言うけど、彼はなかなか手を離さなかった。
「昔からずっとこんなに赤いのか?」
黒崎くんは怖いくらいに目が鋭くしてその傷を見つめた。
あたしは、息を飲んでコクりと頷くと黒崎くんは手を離した。
「悪い」
「え?あ、いやいや」
あたしは手を振ると、黒崎くんはただその傷を見て難しい顔をするだけだった、
「誰に付けられたか覚えてないのか?」
「ぜ、全然…。」
それを聞くと彼はまた黙ると課題をやり始めた。
(ど、どうしたんだろう?)
そんなにこの傷が酷く見えたのだろうか、そのまま呆けたままだと黒崎くんから
「…今のはきにしないでくれ」と言ってまた課題に戻った。
いや、気にするよ。