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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「哀の川」 第二十九話

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「杏ちゃん?とっても素敵なところだよここは。パパ達と一緒に杏ちゃんも居たんだって聞いたよ」
「六甲山ホテル?そうよ、初めて麻子さんと会った時ね。綺麗な人でビックリしたわよ、直樹なんて冴えない容姿だから・・・フフフ、言わないでよ、怒るから・・・」
「きついね、相変わらず・・・ボクこっちにいるから来るときは連絡してね、そのことだけ言いたかったの」
「ええ、そうするわ。皆さんによろしくね。切るから・・・」

純一は直樹に電話を返した。ふと顔を見て先ほど杏子が言った事を思い出してしまった。笑いが止まらなくなった。
「何が可笑しいの?純一?」麻子が聞いた。耳を寄せて、手で声を隠しながら、「杏ちゃんがね・・・って言ったの思い出した」
麻子も大笑いした。気になって直樹は尋ねた。

「ひそひそは違反だぞ!話なさい!」
「父さん!言えないよ・・・約束だもの」
「誰と約束?姉さんか・・・また変なこと言ったんだな、仕方ないなあ。僕に何か恨みでもあるんだろうか」
「それは違いますわよ。あなたのこと身近に感じてらっしゃるから、言われたのよきっと・・・」

さあ、麻子の今の言葉はフォローになったのか?それとも、何人かの人が冷っとする気分だったのか、そこまでは話せなかった。