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その穴の奥、鏡の向こうに・穴編

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 シープ&ゴートは、想像していたスーパーやデパートとは違い、小さな商店というものだった。こんなところに武器なんて売ってるのか・・・?武器が俺の思っている武器と違うって言ったって、扱う店なんて、限られてるだろうが。
「なあ・・・、ここで合ってるのか?」
「合ってるよ。店って言ったら、ここしかないんだから」
 この世唯一の店がこのサイズって・・・。不思議の国だから何でもアリ、扉を開ければ無限の世界が広がってるんだ。そういうんならまだ解る。でも表に回った途端、そんなことはあり得ないんだと知る。
 オープンだったんだ。
 昔ながらの八百屋とか、魚屋とかのイメージ。商店街とかならまだ見かけるのかも。俺が住む町にある商店街は、かなり近代的でこういう店は見ないけど、テレビでなら幾らか見たことがある。だからすぐに店の奥まで見渡せる。ああ、本当にこの規模なんだ・・・、この店。
 そして店の前には、一人の女の子が座ってた。俺と同じくらいの年齢かな?安楽椅子?いや、ロッキングチェアって言うのが現代的?疑問符ばっかりだ。自分の物知らなさにがっかりする。今に始まったことじゃないけどさ。
 一人の人形みたいな女の子が、ロッキングチェアで揺れている。ここまではまだいい。絵になる世界だ。でも、彼女が持っている物が変だった。
 推察される彼女の身長と同じくらいの大きさの毛糸玉から糸を取り、巨大すぎる編み棒で何かを編んでいたのだ。
 編み物をやったことのない俺には解らないけど、絶対やりにくいと思う。あの編み棒も、毛糸玉のサイズも。だってあの毛糸玉、転がりだしたらどうやって止めるんだよ。・・・もしかして留め具かなんかあるのか?