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「同等の契約になる事態を招いたとしても、ましてや主従が逆転する事態など招いた際には、『チェシャ猫』においらは殺されるんです」
　驚きのあまり思わず固まってしまった。が、すぐにハッとして反論する。
「ま、待てよ！能力ってそんな険悪なものなのか？」
「そうよ！そんな能力聞いたことないわよ？」
　藤堂が一緒に苦情を言ってくれることが少し心強い。よそ者だから解らないってわけじゃないんだなっていう安心感が付く。
　すると、若杉が俺達に聞いた来た。
「貴殿らは、チェシャ猫の能力の特異性というのを知っておるか？」
「姿を消すんだろ？」
　能力者同士であれば能力についての知識が伝わっているようだから、もちろん藤堂も知っていた。そこで若杉が俺に能力の詳細の説明を求めてきたので、簡単に説明する。
「自分の姿を消したり、あと俺と雪坂の姿を消したこともあったっけ？」
　そこまで言ったところで、藤堂がこちらをぐるっと勢いよく見てきた。
「それ、可笑しいわよ？」
「どこが？」
「だって、ワンダーとミラー両方の特性を持ってるなんてありえないわ」
　まーた新単語が出てきたぞ。ワンダーとミラーって何だよ。