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その穴の奥、鏡の向こうに・穴編

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 しばらくして、何やらにぎやかな声が聞こえてきた。意外と人数がいるようだ。
 森を抜けた先に大きな水たまりを見つける。違うな、湖だ。湖の周りを囲むように家が立ち並んでいる。ネズミってのは複数いるみたいだ。
「能力者がこんなに集まってるなんて・・・」
「は?」
 思わずつぶやいたセリフに、鷲尾がぽかんとした顔で反応した。あれ?俺なんか変なこと言ったか?
 今までの話を要約して考えても、ネズミは鷲尾と似た能力かそれ以上の能力を持ってるって考えていい。で、そのネズミが集落に住んでいると言うのも解った。ってことは、ここはネズミの村ってことだ。それとも、まだこの村は通過点なのか?
 悶々と考えていると、鷲尾がジャラジャラと鎖を弄りながら話し出す。
「何か勘違いしてるみたいだけど、ネズミは一人だぞ?」
「え、そうなのか?」
「当たり前だって!能力者がこんなわんさかいたら大変だろ」
 確かに。でも、じゃあ・・・
「どこにネズミがいるのか、解るのか?」
「いや?わからん」
 デジャヴか?デジャヴなのか・・・?けれどもそこで宝亀が不敵に笑った。