その穴の奥、鏡の向こうに・穴編
快楽主義者と謁見を
思わず白の城に飛び込んでしまった俺だが、なんと白の内部まで和風造りだった。ただこの世界の木が白いってのもあるんだろう。障子の木枠から床板まで全てが真っ白で、正直ドン引いた。何よりも驚いたのは、その白さだ。俺の知ってる白って言うのは、なんだかんだでちょっとくすんでるイメージがある。やっぱり何色でもないって言うのは逆にどんな色でも付きやすいわけで、つまりは汚れやすいんだ。
でも、この城は違った。外壁同様、なんでこんなに白いんだと驚くばかりの白さなんだ。多分、ノートより白いし、雲よりも白い。表現の下手さは、俺がバカな男子高校生だってことで諦めてほしい・・・
「凄いな・・・」と思わず言葉を漏らすと、前を歩いていた二人が同時に振り返った。
「で!何がしたい?」「何して遊ぶ?」
まだ遊ぶ気なのかこいつら!冗談じゃねぇよ!
「表のやつがいなくなったらすぐ帰るって!」
「表のやつ?」と聞いた後、二人はぽかんとした顔を合わせた。え?何その顔?そう疑問を投げかける前に、今度は同時に俺を見てきた。
「バタつきフライのこと?」「彼らに攻撃性はないよね?」
・・・は?
作品名:その穴の奥、鏡の向こうに・穴編 作家名:神田 諷