その穴の奥、鏡の向こうに・穴編
「『遊びに行く』だよ?それなのに遊ばない奴がどこにいるの?」
「契約内容が『白の城で遊ぶ』だったら文句は言わねぇよ」
むぅぅ・・・っと頬が膨らむ。可愛い。可愛いけど、絶対ここは折れちゃいけない場所だ。
パチンッ
・・・?何の音だ?
そう思って和樹を見ると、彼は打海(うつみ)の時に取り出していたサバイバルナイフを取り出していた。え、なんか俺やばい感じ?これデジャヴ?
「聞いてくれないなら・・・」と和希が睨みつけてきたので、あわてて彼女の腕を掴んだ。
「わわっ!ちょっと待てって」
「待てない」
そう言ったものの、その後のアクションがない。まだ刃物は和樹が持っているし、何かを握るように和希の手が動いたくらいだ。
しばらくして、和希が和樹の方を見る。
作品名:その穴の奥、鏡の向こうに・穴編 作家名:神田 諷