小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

その穴の奥、鏡の向こうに・穴編

INDEX|237ページ/343ページ|

次のページ前のページ
 

「そんな事言ったって、同姓同名のお前らを何て呼び分けろっていうんだよ!」
「ディー」「ダム」
 ・・・は?
 彼らの進言に、あんぐりと口を開けて固まってしまった。四賀和希と志賀和樹、何処にディーだのダムだのが出てくるんだよ。俺の反応から察した二人はそれぞれを指差しながら説明する。
「和樹の能力はね?『トィートルディー』って言う能力なの」
「で、和希の能力が『トィートルダム』って言う能力なのさ」
 能力の名前まで、最後ぐらいしか違わないのか。
「お前ら、何処まで似てんだよ・・・」
 特に答えを求めた呟きでもなかったのだが、笑顔で和樹が返してきた。
「しょうがないって!だって僕らは『似たり寄ったり(トィートルディー・トィートルダム)』だもん」
 外見上の区別がつくだけましな方だと笑う和希を見て、もうため息しか出なかった。
「で、城っていつ着くんだ?」
「今日中」「運が良ければ」
 ・・・何言ってんの?こいつら。運が良ければって何?運が悪かったら何日かかるわけ?
「ちょ・・・」
 言いかけたところで、二人はくるりと向きを変え、背を向けて走り出す。