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その穴の奥、鏡の向こうに・穴編

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「もし良ければ、お手伝いさせていただけませんか?」
 ・・・へ?今何て言った?この子なんて言った?
「え、なんで・・・」と呆然と吐くと、彼女はくすくすと肩を揺らした。超絶可愛い。
「まだルール知らないんですか?ここまで来たのに」
 そうか!俺は彼女に懐中時計を渡した。そこで契約が生じているんだ。このまま彼女に何もさせなかったら、契約違反で重罪になってしまう。それはいけない。
 ま、口実だけど。
「じゃ、じゃあ、お願いします!」
 棚から牡丹餅。
 すると彼女はスカートを広げながらふわりと笑った。
「では改めまして。私の名前は雪坂牡丹、この城の宰相をさせていただく者です」
 本当に牡丹餅だった・・・。
 いや、そんなこと考えている場合じゃない。
「ありがたいけど・・・、ここからどうやって出るんだ?もう兵士が戻ってくるのに・・・」
 不安がる俺を見て、彼女が可愛らしくフフッと笑った。
「私に考えがあるんです」