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その穴の奥、鏡の向こうに・穴編

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「えーっと・・・」と続いた彼の説明はこうである。
 AとBが対等な関係の場合、Aに何かをしてもらうためには、Bも何かをしてあげなければならない。しかしそれはA、あるいはBの提示した条件に則ったものであり、必ずしもA・Bに対してのアクションとは限らないらしい。これを交換ではなく、「契約」と言うそうだ。ここで注意しなければならないのは、条件まで対等とは限らないということ。しかも、契約破棄は不可能だそうだ。しかし、条件承諾の前に条件の全件提示もまた義務であり、もし一部でも隠していた場合のみ、契約破棄が認められる。
 そこまで話してから、彼は「BからA」の矢印を消して、「=」を「>」に書き換えた。
 その続きはこうだ。
 AがBに仕えている場合というのがこの世界にはある。この場合の時、BはAに無償で手を貸すことができ、条件も発生しない。つまり、Aのためになることならば、Bは何をしてもいいということだ。そしてこれを「提供」と言う。しかしもしBが他者と契約した場合は、提供よりも契約を優先しなければならないそうだ。また、AからBへの提供はなく、許されているのは「罰」だけだそうだ。ちなみに契約と違って、提供の掛け持ちは禁止らしい。
 それ以上も何だとか言っていたが、もう俺の一度に覚えられる許容範囲を超えてしまった。