その穴の奥、鏡の向こうに・穴編
「服部も愛川もまだ帰ってこないの」
子供だからだろうか?こいつの話はぴょんぴょん飛ぶ。元の世界にもいないわけじゃないけど、ついて行くのが大変だ。ともかく、あと二人ばかし来るらしい。
「あたしはねむいの」
「・・・だから?」
我慢できずに促してしまった。俺の中では等号でも矢印でも、不等号でも対義でも繋げることができないし。
「あなたお腹がすいてるんでしょ?」
あれ・・・?今軽く無視された?俺ちょっと泣いちゃうよ?
彼女はまた頭を下げて眠る体制になる。あれ?契約は何処言った?ってかなんだこの超マイペース少女!
ワタワタしていると、こもった声が聞こえてきた。
「だから契約。ご飯食べてもいいから、寝かせて」
・・・なるほど。つまり、あと二人来るから質問はそいつらに聞けと。そういうことだな?腹が減ってるのは確かだから助かるけど・・・
作品名:その穴の奥、鏡の向こうに・穴編 作家名:神田 諷