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その穴の奥、鏡の向こうに・穴編

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「あれ?じゃあ、あのメイド服と同じ能力?」
「メイド服?」と呆然とされたが、鷲尾は解ってくれていた。
「いや、川澄(かわすみ)とは違うよ。あのジャンプ力は、さすがの雉野(きじの)も敵わないし」
 ・・・きじの?
「誰?」
「川澄?川澄は・・・」
「そうじゃなくて」
 川澄は解る。メイド服の言葉でその名前が出てきたし。っていうか、そこまで俺だって馬鹿じゃない。
「ああ、雉野か。雉野は白の騎士の名前だよ」
「雉野 剣(つるぎ)という」と、脇から補足が付け足される。そう言えば、脇に立派な剣を持ってたな。
 でもやっと解った。羊元が彼自身を凶器とみなした理由。
 彼の言葉に従わなければ、戦闘になっていた。戦闘になっていれば、最強の男に敵わないだろう。宝亀や鷲尾も戦闘系の能力ではないし、きっと羊元もそうだろう。三人とも、慣れているだけだ。逆に俺は戦闘系の能力を持ってはいるものの、戦闘慣れしていないから自慢じゃないけど立ち回りは下手だ。今まで優位に戦闘していたのも相手が非能力者だから。能力者にはとても敵わないだろう。